城南宮・京都の南を守る方除けの神様

城南宮鳥居

京都の南にあることから「城南宮」と呼ばれる神社があります。
平安貴族の歌会を再現した「曲水の宴」で有名な神社です。

方除けと交通安全の神様として知られていますが、地域の人々を守ってくださる神様でもあります。

平安時代の昔から現代まで城南宮のご利益を求めて多くの人がやってきます。

知られざる京都のパワースポット城南宮を紹介します。

 

目次

御祭神

国常立尊(くにのとこたちのみこと)
日本書紀ではこの世の始まりの最初に登場し宇宙を作った神です。古事記では天地創造を行った別天津神の次に神代七代と呼ばれる神々が登場します。国常立尊は神代七代の最初に登場します。

大地や宇宙を意味するといわれる神様です。あまりにもスケールが大きすぎるのであまり庶民の間には広まりませんでした。城南宮は国常立尊を御祭神にするかなり珍しい神社です。
開拓、開運のご利益があります。

八千矛神(やちほこのかみ)
大国主神の別名。八千矛神とは大国主神が日本全国を旅して各地の女神と出会い、開拓を行っていた頃に名乗っていた名前です。五穀豊穣、商売繁盛、縁結びなど幅広いご利益があります。

息長帯日売尊(おきながたらしひめのみこと)
神功皇后の本名。神功皇后という呼び名は後世に付けられた名前です。応神天皇の母親、仲哀天皇の后です。勝運向上、災難除け、安産、子育てなどのご利益があります。

 

城南宮の由緒

平安京ができる以前から 真幡寸神社 という名前で息長帯日売尊(おきながたらし ひめの みこと、神功皇后)、八千戈神(やちほこのかみ、大国主神)を祀る社がありました。いつ真幡寸神社ができたのか古すぎてよく分かっていません。

平安京が造られた延暦13年(西暦794年)。平安京の南にあることから都の守り神として真幡寸神社に国常立尊(くにの とこたちの みこと)を合わせて祀り、 城南宮 に改められました。

以後、平安京の南の守り神として朝廷や貴族の信仰を集めて来ました。方除けの神様としての信仰はこのころから続いてます。

江戸時代には 大日本不易太大神宮(おおやまと ふえきだい だいじんぐう)とも呼ばれ、地元の人々からも深く信仰されてきました。

江戸時代末期、将軍家に輿入れされた皇女和宮内親王も方除けのご祈祷を受けています。

明治維新の後、京都が日本の都でなくなったことから城南宮から真幡寸神社に名前が変わりました。しかし昭和43年にまた城南宮の名前に戻っています。

 

城南宮のご利益

方除(方よけ)の大社と言われ、京都だけでなく関西中から人々がご祈祷に来ます。
引越しや家を建てるとき、工事をするとき、旅行に行くときの不安を取り除いてくれるといわれています。

交通安全の神様としても有名です。人だけではなく、車ごとお払いをしてくれます。

厄払いや家内安産のご利益があるといわれています。

 

城南宮の見所

名水・菊水若水

神社ではどこでも手を清める場所があります。城南宮の手水舎の水はただの水ではありません。菊水若水と言って由緒のある名水なのです。江戸時代の始めごろ、霊元法皇(第112代天皇・霊元天皇)が菊水若水を飲んだところ痛みが消えたという記録があり、霊験のある水として現代でも水を持ち帰る風習があります。

でも、水を持ち帰るのはお参りをすませた後でしましょう。神様にご挨拶もせず水を持ち帰るだけでは失礼にあたります。

菊水若水

菊水若水

 

珍しい鳥居

 

手水舎で手を清めたら、赤い鳥居をくぐります。
でも、この鳥居。よーく見ると、ちょっと変わってます。
鳥居にはいろいろな種類がありますが、ここは「城南宮鳥居」という形式の珍しい種類の鳥居です。

一見すると普通の鳥居に見えますよね。
赤い鳥居は「稲荷系」の鳥居ですが、ここは稲荷神社ではありません。でも赤いです。
しかも、鳥居の上に黒い屋根が付いてます。普通は屋根は付いてませんね。

鳥居には神社の名前を書いた額がかかってますが、ここは額がなくて笠木(一番上の横になった木)の真ん中に神紋が付けられています。

神社建築マニアでもないかぎり、気が付かないよ。
と思うかもしれませんが、たぶん他ではめったにない形の鳥居なので見てください。

城南宮鳥居

城南宮鳥居

 

社殿

鳥居をくぐり参道を歩けば、拝殿があります。
ふだんは何も飾ってませんがお祭りのときや行事のあるときにはお供え物をしていることがあります。

これは11月下旬。地元の方から奉納された野菜がお供えされてます。

11月の祈祷殿

 

秋祭り(10月下旬)のころには獅子頭を飾ってました。この獅子頭は秋祭りの獅子舞に使われます。

秋祭りの祈祷殿

 

拝殿のむこうには本殿があります。
見えているのは向排、その奥に本殿があります。

城南宮拝殿

城南宮

社殿は昭和53年に建てられた新しい建物です。
本殿、前殿、向排のある一般的な種類の建物ですが、拝殿の横に長く翼廊(よくろう)と呼ばれる建物が続いてます。これは他の建物に行くときの廊下なんですが、左右に翼を広げているように見えてちょっと豪華な感じがします。

本殿は、千木と鰹木のない流れ造り。古代日本の面影が残ります。

城南宮本殿

 

末社もお参りしましょう

本殿にお参りがすんだら、末社にもお参りします。
城南宮の神様は平和や安全といったスケールの大きな分野は得意なんですが、日常のこまごまとしたお願いはあまり得意ではなさそうです。

でも、身近な願いを叶えてくださる神様もいます。
末社にはさまざまな神様が祀られているので、自分の希望するご利益の神様にお参りしましょう。

拝殿の左側の翼廊から入ることが出来ます。
でも、意外に入らない人が多いです。

 

翼廊にある末社入り口

 

自由に出入りできますからしっかりお参りしたいところです。

左側から入ると三つの祠があります。

城南宮末社左側

手前からこの順番に並んでいます。

ご祭神の名前とご利益は、城南宮の案内にあるものを書いてます。自分がこの神様にはこんな願い事をしたい。と思えばお願いしてみるといいと思います。

(入り口側)
稲荷社 (宇気毛智神:食べ物・商売繁盛の神)

(真ん中)
厳島社 (市寸島比売神:昇進・海上安全の神) 
住吉社 (綿津見神:海の神、和歌の神)
兵主社 (須佐之男尊:勝利の神)

(一番奥)
粟島社 (少名毘古那神:婦人病・薬の神)

 

本殿の後ろを通って、右側には四つの祠があります。

城南宮末社右側

城南宮末社 右側

(一番奥)
天満社 (菅原道真:学問・芸能の神)
妙見社 (天之御中主神:創造・起業の神)
金刀比羅社 (金山毘古神:産業発展の神)

(奥から二番目)
庚申社 (猿田彦神:道案内の神)

(奥から三番目)
大国主社 (大国主命:経営・医療の神)

(一番手前)
春日社  (天児屋命:慈悲の神)

 

あなたの希望する神様は見つかりましたか?

 

遠方からも方除け・厄除けにこられます

城南宮は京都市内の観光スポットから外れており、駅からも遠いです。特別目立つような観光的な見所も少ないです。そのためか由緒のある神社のわりに観光客は少ないと思います。でも、最近は観光客が増えたような気がします。

でも、お祓いや祈祷を受けに来る参拝者の方は多いです。方除け、厄除けという神様の性格がそうさせるのかもしれません。僕は城南宮によく行ってますが、毎回のようにご祈祷を受けている人を見かけます。順番待ちしていることもあります。京都市内だけでなく大阪から来ている人もいました。玉垣に刻まれている寄進者の名前は日本中から来ていることが分かります。

それほどまでにこの神社を頼る人がいるということは、城南宮にはそうさせるだけの何かがあるということなのでしょう。

城南宮は観光ガイド化したパワースポットの本では取り上げられることのない神社です。

でも、これは本当に神様にお願いしたいと思ってる人にはよい神社かもしれません。

 

花の名所・2~3月は梅と椿

 

城南宮は季節ごとにちがった花が楽しめます。

境内にもしだれ梅はありますが。花を見るなら神苑(拝観料・大人600円)がお勧めです。

2~3月は紅梅・白梅と椿が見ごろ。
しだれ梅がみごとです。

4月になるとしだれ桜。
4月の終わりから5月にかけては、つつじ、さつき、藤の花が見ごろをむかえます。

 

まだまだ、城南宮に関わるお話は続きます。

歴史と関わる城南宮

城南宮の紹介

アクセス

JR京都駅から
・京都市バス 19系統 城南宮 下車 徒歩2分

・京都らくなんエクスプレスREXバス 
土日祝
 京都駅八条口から 城南宮前 下車 徒歩1分

平日
  油小路城南宮 下車 徒歩 徒歩5分。

平日と土日祝ではルートが変わります。

・車

駐車場有。200台。無料

名神高速道路:
名古屋方面から京都南インターチェンジおりる。
大阪方面から京都南インターチェンジ第2出口おりる。

インターチェンジおりて国道1号線を大阪方面へ向かい、1つ目の信号越えたらすぐ。

Official Website :http://www.jonangu.com/index.html

住所:京都市伏見区中島鳥羽離宮町7番地

 

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