かわらけ投げの意味・起源は?楽しめる場所も紹介。

かわらけ投げ

かわらけ投げは、焼き物の素朴な小さなお皿を投げて。厄払いしたり祈願したりする遊び。神事として行われることもあります。

各地の神社仏閣で行われてきましたが。現代では高い場所にある観光地でも手軽に楽しめるようになっています。

かわらけ投げは「厄除け」のために行われることが多いのですあ、願掛けや願いをかなえるためにすることもあります。

かわらけ投げにはどのような意味があるのでしょうか?

由来や意味は?

かわらけ投げが楽しめる場所も紹介します。

 

タップできる目次

かわらけ投げとは?

かわらけ投げとは日本の各地の神社仏閣や観光地で行われている遊びのこと。

「かわらけ」と呼ばれる素焼きの小さなお皿を、厄除けなどの願いを込めて高い場所から投げます。うまく飛ぶと願いが叶うとされます。

神社仏閣のほか、高い場所にある観光地でも行われています。観光地の場合は「願いがかなう」というご利益が強調される事が多いです。

 

かわらけ投げの由来・起源は?

かわらけとは?

かわらけ

 

そもそもかわらけとは何でしょうか?かわらけは漢字では「土器」と書きます。語源は瓦笥(かわら・け)。笥(け)とは食器のこと。瓦のような食器。つまり焼き物のお皿。陶器でも磁器でもない釉薬のかかっていない素焼きのお皿を「かわらけ」言います。

古代から江戸時代には食器としてよく使われました。今でも神事などでは使われます。

戦国武将の武将の習慣から

くわしいことは分かりませんが京都の神護寺が発祥の地といわれることもありますし。戦国時代の武士の風習に由来するともいわれます。

戦国時代の武将たちは出陣前に必勝祈願として盃を地面に投げつける習慣がありました。

それを庶民が真似するようになり。江戸時代には祭事やお祝いごと花見の余興として広まったといわれます。

というわけでかわらけ投げの起源のひとつともいえる江戸時代の武士の習慣について紹介しましょう。

戦国時代の三献の儀

小和田哲男監修・高橋伸幸著の「戦国の合戦と武将の絵事典」によると。

戦国時代の武将たちは命をかけた戦いをしていました。お互いに知恵と力を尽くしての戦いですから、人の力ではどうにもならないこともあります。そこで武将たちは神仏の力を借りて少しでも有利に戦おうとしました。精進潔斎からはじまり様々な清めの作法や行事、神仏への願掛け、儀式を行っていました。

そして出陣式にもこだわります。まず軍配者が日取りを決め、三献の儀を行います。そのとき総大将の前に 打鮑(うちあわび)、勝栗(かちぐり)、昆布(こんぶ)が用意されました。「敵に打ち勝ちよろこぶ」という語呂合わせです。

大中小の盃が用意され、一つの肴を食べるごと杯を一献、二献、三献と3回にわけて酒を飲み。最後に杯を地面に打ち付けて割りました。

三々九度が終わると総大将は信仰する神仏に祈りを捧げ。武器を手にして「えい、えい」の掛け声に将兵が「おう」と応え、ときの声をあげます。

この儀式は非常に緊張をもって行われ間違えるとやり直しです。ドラマや映画のようにノリだけではやっていないのです。

甲斐の武田軍はこのやりかたで川中島の戦いに挑んだと言います。ただし出陣式の仕方は時代や地方によっても違います。

三献の儀では戦勝祈願のために皿を割りました。でも神社仏閣でかわらけ投げをする理由はそれだけではありません。古代の神事が関係しているのです。

古代の神事

神社などではかわらけは人形(ひとがた)のようなものとされ、息を吹きかけるなどして自分の厄をかわらけに移し、それを割ることで厄払いにする儀式があります。

かわらけ投げとは別に、厄除けの方法としてかわらけを使う神社もあります。こちらの方が古い伝統を残しているといえます。

物を壊して厄除けにするのは古代から行われています。

縄文時代の土偶は人間の形をしています。でも発掘される土偶の多くが一部が欠けています。どうも意図的に壊したようなのです。人間の病気や怪我の部分を土偶に移し、土偶の一部を壊すことで人間の不調も治すという呪術が行われているのではないかといわれます。

やがて土偶は作られなくなり、土器が使われるようになりました。

奈良時代の祭祀場跡からは壊れた素焼きの食器が出てくることがあります。祭祀場跡地に五芒星や呪文を書いた素焼きの皿が割って捨てられているのです。

国分寺近くの祭祀場なので公的な儀式だったようです。疫病退散などの儀式を行っていたのでしょう。世の中の厄を呪文を書いた皿に移し、その皿を割って厄を払い、もとになった疫病も鎮めようというのです。

やがて素焼きの皿で厄除けする方法は各地の神社仏閣に広まったと考えられます。

そして、割るから投げるへ

出陣の儀式にしても、古代の祭祀にしても

使った皿は割ります。投げたりしません。

いつから投げるようになったのでしょか?

やはり江戸時代の庶民が真似するようになってから変わったと考えられます。高い場所での花見の余興などでは、おもしろ半分で投げてい他人たちもいるでしょう。

投げるにしても割るにしても手元からはなくなります。手元から離れて戻ってこない。そうすれば厄は取り除かれたことになります。

それに願掛けやご利益を求めるなら割るよりもどこか難しい所に届くようにしたほうが効きそうな感じがしませんか?

本当は厄除けのかわらけを割る予定だったのが誰かがふざけて投げたのが評判になって定着したのかもしれません。

そうして古代の神事や儀式が時代とともに変化して受け継がれてきたのかもしれません。

とはいえ。伝統行事といわれるものでもじつは大した理由はないことも・・・似たような故事をひっぱりだしてもっともらしく説明してるだったりして・・・

もちろんその場所にはその場所の由来があるのでしょうね。

 

うまく飛ばすコツは?

かわらけは小さく平らなので、お皿をただボールのように持って投げるだけではうまく飛びません。

親指と人差指で縁を挟んでフリスビーのように横に投げるのがコツ。

河原で平らな丸い石を投げるのと同じ要領です。

最初は難しいかもしれませんが2、3回できるところが多いので、最初からうまく投げようとは思わず。気楽な気持ちで肩の力を抜いて投げるといいかもしれません。

でもまあ、こういう者は厄や自分の願いを付けたものを投げることに意味があるので。入っても入らなくてもあまり気にする必要はありません。

かわらけ投げはどこでできるの?

神護寺

発祥の地といわれる京都の神護寺はもちろん。

現在では日本各地でかわらけ投げが行われています。

作法や値段もまちまち。だいたい1回100~300円くらいが多いようです。

ここに一部ですがかわらけ投げができる場所を紹介します。
詳しい場所を知りたい方は公式HPを確認してください。

神護寺 地蔵院(京都府京都市右京区
https://www.jingoji.or.jp/

天橋立傘松公園(京都府宮津市
https://www.amano-hashidate.com/

竹生島・都久夫須麻神社(滋賀県長浜市早崎町1665)
https://www.chikubusima.or.jp/

大山阿夫利神社(神奈川県伊勢原市大山)
https://www.afuri.or.jp/

叡山ロープウェイ かわらけ投げ広場(京都市左京区上高野東山)
https://www.hieizan.gr.jp/recommended/hiking-a

三方五胡 天狗堂(福井県三方郡美浜町)
https://mikatagoko.com/map/

城崎温泉 ロープウェイ(兵庫県豊岡市城崎町
https://kinosaki-ropeway.jp/spot/kawarakenage/

小豆島・寒霞渓(香川県小豆島町)
https://www.kankakei.co.jp/

屋島・獅子の霊巌 (香川県高松市屋島東町)
https://www.yashima-navi.jp/jp/travel/entry-109.html

青島神社 (宮崎県宮崎市青島)
https://aoshima-jinja.jp/

ここに紹介したのは一部です。

落語の「愛宕山」ではかわらけ投げをする場面があります。でも愛宕山ではかわらけ投げは行っていません。同じ山系の高尾山(神護寺)では行われています。

 

近年のパワースポットブームで、伝統的なかわらけ投げもご利益スポットとして注目を浴びたり。新たに観光地として整備されたりして様々な所で楽しめるようになっています。

厄払い、願掛け、ご利益?

現代では様々な場所で様々なスタイルのかわらけ投げが体験できるようになってます。

あなたも出かけてみてはいかがでしょうか?

 

シェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

タップできる目次