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ダビデの星がユダヤのマークになったわけ

ダビデの星(Star of David)は六芒星(6points star)のひとつ。

ダビデの盾(Shield of David)や ソロモンの封印(Seal of Solomon)といわれることもあります。

ダビデの星はユダヤを象徴するマークとして知られています。

六芒星はユダヤだけのものではありません。「六芒星」や「ソロモンの封印」と呼ぶ場合はユダヤとはあまり関係がありません。

「ダビデの星」はユダヤのシンボルとして使われるときの呼び名です。

でも六芒星は古代イスラエルのダビデ王とは関係ありません

ダビデの星はイスラエルが国旗にも採用しているのでユダヤ=六芒星のイメージが定着しています。

ところがもともと六芒星はユダヤだけのシンボルではありませんでした。様々な民族や宗教の人たちもつかっていたのです。

なぜ六芒星がユダヤと関係が深くなったのか紹介します。

目次

六芒星=ユダヤではない

六芒星は古代にはインドから中東、北部アフリカあたりの様々な地域で使われていました。

ユダヤ人がいつから六芒星を使い始めたのかはわかりませんが、3世紀ごろにはユダヤ教の礼拝施設シナゴークの装飾品に使われていました。

シナゴークでは魔除けとして六芒星と五芒星を両方とも使っていました。

でも六芒星を使っていたのはユダヤ人だけではありません。

インドでは シャトコナ(Shatkona)。キリスト教では創造の星(Star of creation)。アラブではソロモンの封印と呼ばれていました。

六芒星は様々な民族が使う魔除けや模様のひとつ。それがたまたまユダヤ人のいる地域でも使われていただけでした。

六芒星がユダヤのシンボルになったのは中世から

14世紀ごろ。六芒星は神の力が宿り魔除けとして使われていました。

プラハに住むユダヤ人はこの神の力が宿ると信じられた六芒星を古代イスラエルのダビデ王を守った伝説の盾の紋章と考えました。そしてシナゴークに飾る旗の模様「ダビデの星」として採用しました。この旗は王の即位式など特別なときだけ飾られていました。

アラブ人がソロモンの封印を六芒星と考えたのが影響しているともいわれます。ソロモン王は古代イスラエルの王。ダビデ王の息子です。ソロモン王は指輪の力を使って悪魔を支配し動物と話せると信じられ、アラブ社会でも有名でした。ソロモン王が持つ不思議なアイテム「ソロモンの指輪」に刻まれた紋章が謎です。でもアラブ人はその紋章を六芒星だと考えました。そのため六芒星はソロモンの封印(ソロモンの星)とも呼ばれます。

ソロモンの封印がユダヤ人社会にも伝わり、ダビデのシンボルも六芒星と考えられたといわれます。

1623年。プラハのユダヤ人は「ダビデの星」をシナゴークや市庁舎の印に使うことが許可されました。

1648年。神聖ローマ帝国とスウェーデンが戦った「プラハの戦い」でユダヤ人部隊はスウェーデン軍を撃退。プラハの防衛に手柄をたてました。神聖ローマ帝国皇帝はユダヤ人部隊の旗に「ダビデの星」を使うのを許可しました。このときのデザインは赤い旗の中央に黄色のダビデの星が描かれたものでした。

ダビデの星がユダヤ人独立運動のシンボルになる

19世紀に入ると、ユダヤ人の間で自分たちの国を作ろうという「シオニスト運動」が盛り上がりました。

1897年。シオニスト会議で「ダビデの星」がユダヤ人のシンボルマークに選ばれました。

それまでのユダヤ人は、民族全体を象徴するシンボルマークをもっていませんでした。キリスト教の十字架のような民族をまとめるシンボルが欲しいと考え。一部の居住地で使われていたダビデの星を民族全体のシンボルに決めました。

このときに青と白の配色も決められました。このデザインは「シオンの旗」とよばれました。

その後、世界各地のユダヤ人は青と白のダビデの星をシンボルマークに使いました。

1948年。イスラエルが建国。現在のイスラエルの国旗が作られました。国旗にはもちろんダビデの星が採用されました。それ以来、ダビデの星はイスラエルとユダヤ人を象徴するデザインとして世界に認識されるようになります。

逆に。シオニスト運動の盛り上がりで六芒星=ユダヤのイメージが定着するとイスラム社会やキリスト教では六芒星は使われなくなりました。そのためますますユダヤ=六芒星のイメージが広まってしまいました。

でもユダヤやイスラエルとは関係のないインドや東アジアでは六芒星は使われました。

ユダヤ教の象徴はメノーラー

ダビデの星をユダヤ教のシンボルと思っている人もいるかも知れません。確かに今ではユダヤの民族を象徴するシンボルになりました。でも伝統的にユダヤ教のシンボルとして使われたのはメノーラー(menorah)です。

これはユダヤ教の儀式で使う燭台を意味しています。

旧約聖書の出エジプト記にも登場します。

メノーラーは「知恵」を象徴し。世界創造の7日間を意味しています。

メノーラーはもともと古代中東にあった道具なのでキリスト教でもこの形の燭台を使用することはあります。

ユダヤ教だけがこのシンボルを使うわけではありませんが、メノーラーはユダヤ教では重要なものと考えられています。

ユダヤ=六芒星は現代人の思い込み

現在では日本やアジアに六芒星があると「ユダヤと関係あるのではないか」と思われることもあります。でも六芒星は古代から世界各地で使われたデザイン。もともと漢字の普及した東アジアでは幾何学的な模様はあまり広まりませんでした。一部で魔除けとして使われるくらいです。

中世になってユダヤ人が自分たちのシンボルとして六芒星を採用。ユダヤ独立運動の盛り上がりで中東やヨーロッパではキリスト教徒やイスラム教徒が六芒星を使うのを避けるようになったから、六芒星がユダヤの独占のようになってしまっただけなのです。

現代人の常識が正しいとは限らない。というわけです。

 

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