土用のスピリチュアルな意味・なぜ土用の丑にうなぎ?

鰻

土用の丑の日にはうなぎを食べるといい。とよく言われます。

夏の暑い時期はとくに体力が消耗しやすく。病気や怪我に繋がりやすいです。

そんな暑い時期を乗り切るための先人の知恵なのです。

でもどうして土用の丑の日にはうなぎなのでしょうか?

そもそも土用って何?

どうして丑の日?

よく考えてみるとわからないことだらけです。

でもよくみると自然界のエネルギーの流れが関係しているスピリチュアルな世界なのです。

ついつい食べ物を食べる日になってしまいがちですけど。

土用の丑の日をスピリチュアルな意味から紹介します。

 

目次

土用とは

土用の由来は五行説から

土用(どよう)とはいったいどんな意味があるのかご存知でしょうか?

土用とは五行説(陰陽五行説)の考え方がもとになってます。陰陽五行説は古代中国発祥の自然や世の中のしくみを説明するための法則。

日本にやってきて陰陽道の誕生に大きく影響しました。あ、ときどき勘違いしている人もいますが。陰陽道=陰陽五行説ではありません。名前は似てますし、陰陽五行説が陰陽道に大切なのは確かなんですけど。あくまでも陰陽五行説は陰陽道のごく一部ですから勘違いしないでください。

さて。本来の土用の意味ですが。

陰陽五行説では「木火土金水(もく・か・ど・ごん・すい)」の5つの要素(五行)で世の中の仕組みを説明しています。

五行の「木火土金水」は元素や物理的な素材としての姿ではなくて、ものごとの性質を表現するためのたとえです。

スピリチュアル的にいえば自然界のエネルギーのカタチ・性格を表現しているのです。

季節にも五行がある

五行説では四季にも五行があると考えます。

春=木
夏=火
秋=金
冬=水

です。

つまり春は木のエネルギーが自然界にあふれている。というわけです。

春に木がいっぱいあるという意味ではなくて。五行説の木で表現される性質をもったエネルギーが強くなるという意味です。

ここは土用の説明ですからどの季節にどのエネルギーが強くなるかはまた別の機会に紹介するとします。

ひとつ気がついたことがないでしょうか?

四季は4つしかありません

四季に五行をわりふったらひとつあまってしまいす。

そしてあまったのが「」です。

五行の土はエネルギーが溜まっている。これからエネルギーが外に出てくるという状態。季節の変化を表現するのにピッタリな状態です。

季節の変わり目が土用

この土はどこに行ったかというと、季節の季節の変わり目。エネルギーが変化する時期を(ど)とよんだのです。

土が用いる(支配する)期間。ということでこの季節の変わり目を「土用(どよう)」と言います。

当たり前ですけど自然界のエネルギーが変化すると行ってもある日を境に急に春から夏、夏から秋とチェンジするわけではありません。

季節の変わり目には少しずつ変化します。自然界のエネルギーも同じです。春から夏にかけて春のエネルギーから夏のエネルギーに変化していくのです。

でもエネルギーが変化しているときは不安定です。

いままでうまくいっていたものがうまくいかなくなる。
それまでの大丈夫だったものが大丈夫でなくなる。
常識が通用しなくなる。

なんてことが起こります。

自然界にエネルギーの乱れが起こると災害や疫病が発生。

人間の体におこると体調不良や病気になる。

と昔の人は考えたのです。

だから季節の変わり目は体調管理に気をつけましょうね。

というのが土用の本来の意味です。

土用はいつ

五行説でいう季節の変わり目は、二十四節気で表現される季節。カレンダーの季節とは違います。今のカレンダーはグレゴリオ暦といって西洋で作られたもの。五行説ができた時の季節の考え方とは違うのです。

だからちょっと私の思っている季節感と違うな。と思うかもしれませんが。グレゴリオ暦は自然のエネルギーの流れとは無関係に作られているので。そういうものだと思ってください。

二十四節気ではこまかく季節の変化を表現しています。そこで季節の変わり目を土用にしています。土用は18日間つづきます。土用が始まる日を「土用の入り」といいます。カレンダーに載ってる土用(入り)はこの土用の入りのことです。

土用の入はどうやって決めるかというと。24節気

立春・立夏・立秋・立冬とその前の期間をあわせて18日間です。

春 清明節の13日目から立夏(5月5日ころ)まで 
夏 小暑節の13日目から立秋(8月7日ころ)まで
秋 寒露節の13日目から立冬(11月7日ころ)まで
冬 小寒節の13日目から立春(2月4日ころ)まで

毎年、土用の入りの日は違うので。最新のカレンダーで確認してください。

令和4年2022年の土用の入りは

1月17日
4月17日
7月20日
10月20日

となってます。

つまり土用は1年に4回あります。

土用は夏だけではありませんが、今では話題になるのは夏の土用だけになってしまいました。というのも夏のこの時期が体調を崩しやすいからです。

2022年の夏の土用は

7月20日(土用入)~8月7日(立秋)です。

この期間は夏の暑さが厳しくなって夏バテしやすくなるころです。体調管理には気をつけましょう。

土用の土いじりはダメ?

土用の期間は土いじり、穴掘り、ガーデニングなどをしてはいけない。と言われます。五行説の土用と土地神、荒神の信仰が合体して生まれた迷信なので意味はありません。平安時代の陰陽寮ではそんなことは言ってませんでしたし。鎌倉・室町時代移行の民間の陰陽師(占い師)が勝手に広めたものです。気にすることはありません。

とくに建築や土木関係でとくにこの信仰が広まったようです。

ただ。土用の期間は体調を崩しやすく、集中力も途切れがち。疲労や体調不良、精神的な疲れから事故を起こすこともあったでしょう。工事や建設の業界ではちょっとした不注意、小さなミスが大事故になってしまうこともあります。戒めの意味で広まったのかもしれません。

「春の交通安全週間」みたいなノリと考えればいいでしょう。

気になるのなら「気をつけましょう」「いつもより集中して」くらいの気持ちでいたほうがいいです。

土用の丑の日

土用の丑にうなぎの由来

毎年、7月の終わり頃になると。

「土用の丑の日にうなぎを食べよう」と広告に書かれています。

土用の丑の日にうなぎを食べる習慣があったので夏の土用だけが現代まで残った。

と言ってもいいくらいです。

「土用の丑の日にうなぎ」が広まった理由は諸説ありますが。

有名なのが江戸時代の博物学者・平賀源内が、うなぎが売れなくて困っている鰻屋のために考えたキャッチコピーだった。という節。

他にもいくつかの説があります。

江戸時代には「土用の丑の日にうなぎ」が食べられていたのは間違いありません。

陰陽五行説は中国から伝わりましたが。土用の丑の日に特別な行事をしたり、丑の日にうなぎを食べるのも日本だけです。日本で独自に始まった習慣なのです。

丑の日の理由

陰陽道では「丑」は「かがむ」ともよみ。「紐(ひも)」と同じだと考えます。力を蓄えてこれから芽が伸びるぞ。と準備をしている段階を意味します。

土の丑はエネルギーが目一杯蓄えられてこれから弾ける前の状態を意味してるのです。

だから土の丑の日に栄養のつくものを食べて、これからの厳しい季節に備える。ということなんですね。

だから「丑」にちなんでいるので「うし」の「

うなぎでなくても「」のつく食べ物なら何でもいいです。

梅、うり、うどん、などなど。頭文字に「」の付く食べ物なら何でもOK。

牛を大事にするという地方もあったようです。

日本人の好きなダジャレですけど。何かきっかけや口実がないとなかなか人は動きません。暑い時期に栄養価の高いものを無理にでも食べて体力をつけて厳しい夏の暑さを乗り切ろう。という知恵かもしれません。

でもやっぱり、栄養のある「う」の付く食べ物といえば「うなぎ」

平賀源内よりはるかに昔から夏の暑さを凌ぐには「うなぎがいい」と言われていました。

なんと万葉集には大伴家持(おおともの やかもち)の詩が載っています。

「石麻呂に われ物申す 夏痩せに 良しというものぞ 鰻捕り喫せ」

大伴家持の知り合いの石麻呂(いわまろ)が夏の暑さに負けて痩せてしまった。そこで家持は石麻呂に「鰻が夏痩せに効くので鰻を取り寄せて食べさなさい」と言ったという内容。

たわいのない内容ですけど万葉集にはこういう当時の習慣や何気ない暮らしが描かれているのが面白いですね。万葉集が世界的に見ても素晴らしい詩集なのはこういうところだと思います。

それはともかく。大伴家持(718~785年)の生きた奈良時代から鰻は夏バテにいいと信じられていました。

鰻のかば焼きができたのは室町時代からなので、奈良時代には焼いて食べてたのでしょうか。それとも汁物でしょうか。

特に昔の日本は「四肢の生き物(動物)は食べてはいけない」と信じられていたので、タンパク源は限られます。そんな時代には栄養満点の食べ物としてうなぎは重宝されたのでしょう。

事実、うなぎはタンパク質以外にもビタミンAやEも豊富なので栄養価のとても高い食べ物です。昔の人は経験的に「体にいい」と分かっていたのかもしれませんね。

2022年(令和4年)の土用の丑の日は8月23日です。

 

 

 

 

 

 

 

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