神社の「大麻」読み方と神宮大麻とは?お祀りの仕方も紹介

神宮大麻 2)神社参拝のしかたと神道

神社の授与品などで「大麻」という漢字を見かけると、どう読めば良いのか迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんね。多くの方が思い浮かべる「たいま」という読み方とは違い、神社でこの漢字が使われる時には、特別な読み方があるのです。そして、その読み方には、日本の神道が大切にしてきた意味や、長い歴史が込められています。

この記事では神社の「大麻」の正しい読み方について、詳しく解説します。なぜ違う読み方をするのか、そもそも神社の「大麻」が何を意味するのか、そして伊勢神宮から授与される「神宮大麻」についても掘り下げていきます。この記事を最後まで読めば、あなたはもう「大麻」という言葉に迷うことはありません。自信を持って正しい知識を使うことができるようになりますよ。

 

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神社の「大麻」、正しい読み方と一般的な「大麻」との違い

神社の「大麻」はこう読む!

さて、気になる神社の「大麻」の正しい読み方からお伝えしましょう。

神社で一般的に「大麻」という漢字が使われる場合、多くは「おおぬさ」と読みます。伊勢神宮から授与される特別なお札「神宮大麻」は「じんぐうたいま」と読みます。同じ漢字でも、文脈によって読み方が変わるのが日本語の面白いところです。

 

「大麻」と聞くと「たいま」を連想?植物のアサとの違い

「大麻」と聞くと、すぐに植物の「大麻(たいま)」を思い浮かべる方も多いでしょう。漢字が同じなので、無理もありません。でも、神社で使われる「大麻(おおぬさ)」や「神宮大麻(じんぐうたいま)」は、法的に規制されている植物の「大麻(たいま)」とは全くの別物です。用途も意味も、完全に異なるものなのです。この点を理解しておくと、言葉の誤解を防ぐことができますね。

 

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神社の「大麻」とは何?その意味と由来

神社の「大麻(おおぬさ)」は、お祓いの祭具です

では、「おおぬさ」と読む神社の「大麻」は、一体何を指す言葉なのでしょうか。そこには、神道の重要な儀式や信仰が関係しています。

神社の「大麻(おおぬさ)」とは、主に神職の方がお祓いをする際に使う祭具のことです。具体的には、木の棒の先に、麻や紙(和紙)を細かく切って束ねたものがついた道具を指します。これを「祓串(はらえぐし)」や「大幣(おおぬさ)」と呼びます。皆さんも、神社でご祈祷を受けた際などに、神職の方がこの道具を振って、自分自身や奉納した品物をお祓いしているのを見たことがあるでしょう。

「おおぬさ」の由来は「ぬさ」にあり?麻が使われる理由

なぜ「大麻」と書いて「おおぬさ」と読むのでしょうか。その由来は、古来「ぬさ」と呼ばれたものにあります。「ぬさ」とは、元々神様にお供えする布のことでした。古代日本では布が貴重品だったため、神様への捧げものとして大切にされました。

木綿が普及するよりずっと昔、布といえば主に麻(あさ)でした。そのため、「麻」と書いて「ぬさ」と読む習慣が生まれました。時代が進み、紙が一般的になると、「ぬさ」の素材は紙に変わっていきましたが、「ぬさ」という読み方だけが残ったのです。「大麻」の「大」は、美しいものや重要なものにつける「美称」だと考えられています。

 

「大麻」に宿る力とは?依代としての役割

「おおぬさ」や、これから説明する「神宮大麻」は、単なる物理的な道具や紙ではありません。これらは、神様の力が一時的に宿る「依代(よりしろ)」としての意味を持っていると考えられています。

「おおぬさ」を振ることで、人や場所についた罪や穢れ(けがれ)を祓い清めることができるのは、依代となった神様の清浄な力が働くからだと信じられているのです。

おおぬさ

 

神宮大麻はなぜ重要?天照大御神との関係

伊勢神宮の内宮にお祀りされている天照大御神は、皇室の御祖神であると同時に、日本国民全体の総氏神様とされています。日本中に数多くある神社が、それぞれの地域や氏子を守る存在であるのに対し、天照大御神は日本全体をお守りくださる神様と考えられています。

神宮大麻を家庭にお迎えすることは、この天照大御神の御神徳を家庭にいただき、日々の平安や国の安泰を願う意味があるのです。個人的なお願い事を聞いてくださる氏神様や崇敬神社の神様とは、少し役割が違うと言えるでしょう。

例えるなら、地域の氏神様が市町村長だとすれば、天照大御神は国全体を見守る総理大臣のような存在かもしれません。

御札

 

 

氏神様や他の御札とどう違うの?

全国には、天照大御神をお祀りする「神明社」という名前の神社がたくさんあります。近所の神明社の御札があれば、神宮大麻はいらないのでは?と思うかもしれません。でも伊勢神宮の神宮大麻は、それらの御札とは少し位置づけが異なります。

各地の神明社にお祀りされているのは、伊勢神宮の天照大御神の「分霊(わけみたま)」、つまり御神徳の一部を分けたものと考えられています。対して、伊勢神宮の御札である神宮大麻は、総本家ともいえる伊勢の神宮から直接授けられる、より特別なお札とされています。ですから、氏神様の御札や個人的に信仰する神社の御札と一緒に、神宮大麻もお祀りするのが一般的で、推奨されています。もちろん強制ではありませんが、できればお祀りするのが良いでしょう。

神宮大麻のお祀り方法と交換時期

神棚への正しいお祀りの仕方

神宮大麻を家庭で大切にお祀りするために、神棚での飾り方や、いつ新しいお札に替えるのが良いのかを知っておきましょう。

神棚の形によって、お祀りする場所が異なります。

  • 三社造りの神棚の場合: 扉が三つある神棚ですね。この場合は、中央の扉の中に神宮大麻を一番手前(一番大切にする場所)にして納めます。向かって右に氏神様の御札、左に個人的に信仰する崇敬神社の御札をお祀りするのが一般的です。
  • 一社造りの神棚の場合: 扉が一つだけの神棚です。複数の御札をお祀りする場合は、重ねて納めます。この時、神宮大麻を一番手前になるように重ねてください。その奥に氏神様、さらにその奥に崇敬神社の御札を重ねて納めます。

もし神棚がない場合は、タンスや棚の上など、家族が集まる場所で、目線よりも高く、清浄で失礼のない場所に置くのが良いとされています。その際は、白い半紙などを敷いて、その上にお札を立てかけるようにしてお祀りすると良いでしょう。

神棚

 

新しい神宮大麻に替える時期はいつ?

神社のお札は、一般的に一年間お祀りし、年末からお正月の間に新しいお札に替えるのが良いとされています。神宮大麻も同様に、年が明けたら新しいものにお取り替えするのが一般的です。

新しい神宮大麻は、伊勢神宮で奉製された後、毎年9月頃から全国の神社へと頒布され始めます。多くの場合、10月から11月にかけて、皆さんの地域の神社に新しい神宮大麻が届きます。ですから、新しい神宮大麻を受けられる時期は、地域や神社によって多少異なりますが、だいたい10月頃から年末にかけてと考えて良いでしょう。

正月を迎える前に新しい神宮大麻にお取り替えして、清々しい気持ちで新年をお迎えするのがおすすめです。古いお札は、お世話になった感謝を込めて、お近くの神社に納めましょう。「古札納め所」のような場所があるはずです。

とはいっても、厳格なルールがあるわけではありません。「こうするのが一般的ですよ」という目安として参考にしてください。

 

まとめ

この記事では、神社の「大麻」という言葉について、その正しい読み方や意味を解説しました。神社の「大麻」は、基本的にお祓いの祭具である「おおぬさ」を指し、伊勢神宮の御札は「神宮大麻(じんぐうたいま)」と読みます。どちらも植物の「大麻(たいま)」とは異なり、神道において清らかで神聖な意味を持つものです。

特に神宮大麻は、日本の総氏神様である天照大御神の御神徳が宿る大切なお札です。これを家庭の神棚にお祀りすることで、天照大御神のお守りをいただき、日々の暮らしの平安や、国の安泰を願うことに繋がります。

今回の記事で、「大麻」という言葉に対する疑問が解消され、日本の神道文化への理解が少しでも深まっていれば嬉しいです。これからは、自信を持って「おおぬさ」や「じんぐうたいま」と読み、その意味を思い浮かべながら、神社の授与品やお祓いの様子に触れてみてくださいね。

 

さらに詳しい神棚のお祀りの仕方はこちら。

自宅で開運 神棚の置き方・祀り方

 

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名前:たかふみ
開運研究家。京都市在住。歴史・伝説・神話や神社仏閣を研究しその魅力や開運方法を紹介しています。
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