あなたが人にものごとを頼むときどうしますか?
自分の都合だけでお願いをしたりはしませんよね。
ちゃんと礼をわきまえてお願いしますよね。
神様にお願いするときも同じです。
日本の神様は人間的なのです。
神様にはそれぞれ得意なこととそうでないことがあります。なんでもお見通しとは限りません。ときには人間の様にわがままかもしれません。
だから、神様にお願いに行くときには人と合うときと同じように気配りが必要なのです。
相手の姿が見えないからといって、勝手なふるまいをしたら嫌われるかも知れません。
だけど。
人間同士ならどうすればいいかなんとなくわかるけど、神様にお願いするときってどうやればいいの?
そんなあなたのために、神社にお参りするときの作法を紹介します。
神社は神様の家
神社とその土地は神様の住んでいる場所です。
神社は家にあたります。
鳥居は神様の土地とそれ以外を別ける門の役目をします。
鳥居から内側が神様の住む世界、鳥居から外は人間の住む世界です。
門をくぐった瞬間に、相手の土地に入った事になるのは人も神様の土地も同じです。
人の土地にはいったら、そこのしきたりやルールに従わないといけません。
神様の世界には神様の世界の決まりごとがあります。
鳥居をくぐるとき
鳥居に入る前には軽くお辞儀をするのが一般的です。
何度傾けばいいのかなんて、気にする事はありません。
「こんにちは」という想いをこめて軽くお辞儀をすればいいです。
鳥居をくぐるときは、真ん中は通らないようにしましょう。
真ん中は神様の通り道だからです。人間が通ることが出来るのは端のほうです。
人間どおしでも自分より偉い人が来たら道を譲って真ん中を通しますよね。それと同じです。神様は見えないので常に道を譲る気持ちでいましょう。
大名行列と違って、道を譲らなかったからといって切られたりする事はありませんが。印象は悪くなります。
鳥居から続く道は参道といいます。
参道も神様の通り道なので真ん中は歩かないようにしましょう。
身を清める
場所によって鳥居の外にあったり中にあったりいろいろですが。
神社には手水舎(てみずや)といって、流れる水と柄杓の置いているところがあります(水が流れてないところもありますが)。
ただの手洗場ではありません。
神様のいる場所に入るために、心と身を清めるという意味があります。
手水(てみず)という儀式を行うことで、清めることが出来ます。
手水の作法はこうです。
・右手で柄杓を持つ。
・柄杓で水をすくう。溜まっている水でも、流れている水でもかまいません。
・左手を洗う。
・右手を洗う。
・左手に水をためて、その水で口をすすぐ。
柄杓に口をつけてはいけません。
・残った水で柄杓の柄(持つところ)を洗い流す。
この動作を、柄杓一回分の水で行います。
何度も水をくんではいけません。
また場所によっては水がきれいでないところもあるので、そのときは唇をつけるだけでもかまいません。
日本では水には積み穢れを洗い流す力らあると信じられて来ました。
そこで、神の領域に入るとき、儀式をするときは水で全身を清めていました。これを禊(みそぎ)といいます。たものですがさすがに全身をすることはできないので手水の作法になったという事です。
お祈りするとき
参拝者がお参りする場所を拝殿といいます。
たいていは賽銭箱が置いてります。
拝殿の前でお祈りするときにも作法があります。
人を目の前にして物事を頼むときには、きちんと挨拶をして礼儀正しくしますよね。それと同じです。神様に話を聞いてもらうときには、神様のための礼儀作法があります。
一般的な手順はこのとおりです。
・帽子をぬいで、軽くお辞儀する。
・賽銭箱の前に出て軽くお辞儀する。
・賽銭箱にお賽銭を入れる。
・鈴を鳴らしたい場合は鈴をならす。
(無理に鳴らさなくてもいい)
・深く2回お辞儀をする。
・2回拍手をうつ。
・お祈りする。
・1回深くお辞儀をする。
鈴はひもにつながってることが多いのでひもを振って鈴を鳴らします。 鈴の音にはその場を清める効果があるとされます。
また、神様に自分が来たことを知らせる合図の役目もします。
ただし、絶対鈴を鳴らさなくてはいけないというわけではありません。鈴がないところもあります。柏手だけでもその役目をはたせるので無理に音を鳴らさなくてもよいのです。また、民家の間にある家では音が響くと迷惑に感じる人もいるのであえて鈴を鳴らさないようにしてあるところもあります。神社の作法に従いましょう。
お賽銭は気持ちの問題なのでいくらでもいいです。
金額が多いからといって効果が高いというわけではありません。
相手にお供えするものなので遠くから投げたりするのは失礼にあたります。
音が出たほうが効果が高いと言われる事もあります。 硬貨の落ちる「チャリーン」という音にも清めの効果があると言われる事もあります。 お賽銭には何枚かの硬貨を使うといいという事ですね。
願いをするときは、自分がどこの誰なのか名乗ったほうがいいです。そうでないと神様もだれなのか理解してくれないかもしれません。
あなたが生まれ育った土地の氏神様や産巣神様であれば顔を覚えていてくれるかもしれませんが、滅多に行かない場所の神様には名乗るようにしましょう。
だって名乗りもしない初対面の人のいう事を聞いてあげようと思いますか?神様もおなじです。
お願い事は欲張らないほうがいいです。
できれば、「自分は○○したいから頑張ります。見守ってください」くらいの方が聞き届けてもらいやすいように思います。
神様に丸投げして「○○してください」では効果は少ないかもしれません。
だって、いきなり来て努力もしない人を助けたいと思いますか?
頑張ってる人の方を助けてあげたいと思いますよね。
日本の神様は人間的というのはそういうことなのです。
こういう頼まれ方したら、自分なら願いをかなえてあげたい。
それを考えてお願いしましょう。
神様の前で両手をうちならすことを柏手(かしわで)と言います。
普通は2回ですが、出雲大社の様に4回のところもあります。
神社によって違うので、お祈りする前に何回、拍手をうつのか書いてないか見てみましょう。
2回お辞儀して、2回拍手をうって、1回お辞儀することを。
「2礼2拍1礼」とよびます。
この言葉を覚えておけば、参拝するときに迷わなくていいと思います。
また、お参りする場所がいくつもあるのに真ん中で拝もうとする人がいます。でも真ん中で拝んでも意味はありません。どこで拝んでも一緒です。
真ん中で拝んだほうが効果が高いと思う人がいるかも知れませんが、場所と効果は関係ありません。それよりも、お参りする回数と気持ちが大切です。
以上の様な内容ですが。
こまかいなあ、と思うかもしれません。
でも、基本は相手に失礼のないようにするという事が大切です。
日本人としての古くからのマナーが神社参拝の作法になっている部分もあるので、失礼のない動作を心がければいいと思います。
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