クリスマスにはクリスマスツリーを飾りますよね。
クリスマスツリーは最初からクリスマスのシンボルとしてあったわけではなく。宗教改革以降にプロテスタントの間で広まったといわれます。ドイツからフランス、イギリス、アメリカへと広まりました。
クリスマスツリーには様々な飾りがついていますよね。
その飾りにもちゃんとした意味があるのです。
飾りの意味を知ってるとクリスマスがもっと楽しめるかも。
クリスマスツリーの飾りの意味
クリスマスツリーはなぜ樅の木?
ツリーに使われるのは樅(モミ)の木。
寒い冬でも葉が落ちない常緑樹は生命力の象徴です。キリスト教以前からヨーロッパでは冬至に魔除けとして常緑樹を飾る習慣がありました。樅の木を使っていたのはドイツの一部の地域だけで、地域によって違う木を使ってました。中世には古来の習慣とキリスト教が融合し、クリスマスに常緑樹を飾るようになりました。
ではクリスマスの飾りの主役はなにかというと。宗教改革までは「イエスの誕生場面」を再現したものでした。教会にはジオラマが。家庭には小さな人形が飾られたようです。
でも偶像崇拝を禁止するプロテスタント(主にルター派)はイエス誕生を再現したジオラマや人形をなくしました。
かわりに古い習慣で飾っていたモミの木をプロテスタントのクリスマスのシンボルにしました。
とはいえ、異教の信仰を取り入れることに抵抗がある人達の間では「ルターが考案した」とされています。
最初は簡単な飾り付けだったようですが、次第に飾りが増えていきました。
ツリートップはベツレヘムの星
クリスマスツリーの頂上には星が付いています。
これは「ベツレヘムの星」といいます。
ベツへレムとはイエスが生まれた地名。
「マタイ伝」ではイエスが誕生したときに空にひときわ明るく星が輝いていたとされます。これをベツレヘムの星といいます。
イエス誕生場面を描いた宗教画にも必ず描かれています。クリスマスは「キリストの誕生を祝う日」(誕生日そのものではありません)。
キリスト誕生を象徴するシンボルがベツレヘムの星なのです。
初期には藁(ワラ)で星型をつくっていたようです。これは生まれて間もないイエスが馬小屋の飼い葉桶で寝ていたから。飼い葉桶に入っていたワラをイメージしています。現在もその名残で星の輪郭をなぞった飾りもあります。
でも商品として売られている星型は中が詰まったものが多いですね。
伝説のベツレヘムの星はオクタゴン(八芒星)が一派的。メソポタミア文明の時代から中東では八芒星=神の星だから。
でも、ツリーの飾りにつかうトップスターはペンタゴン(五芒星)でもヘキサゴン(六芒星)でもオクタゴン(八芒星)でもかまいません。星型ならとくにルールはないです。
イギリスのツリーでは天使が飾られることもあります。「ルカ伝」では天使たちが占星術師や羊飼い生まれたばかりのイエスのもとに案内したといわれます。
星や天使はツリートップではなくツリーの枝に飾ることもあります。
星も天使もイエスの誕生に関わりのあるものなのです。
飾りの定番は禁断の果実
ツリーにはたくさんぶら下がっています。これはアダムとイブがエデンの園で食べた禁断の果実です。りんごは豊穣の象徴でした。
りんごはろうそくとともにクリスマスツリーの飾りとしては古くからあったようです。
禁断の果実はリンゴとされたのでクリスマスツリーにはリンゴが飾られました。
19世紀になるとドイツでガラスで作ったボールが作られ。リンゴの代用品になりました。19世紀のドイツでは主要な輸出品になるくらい大量に作られたようです。
現在は本物のリンゴやガラス玉のかわりにプラスチックのボールを飾ることが多くなりました。
クリスマスツリーにはキャンドルを飾ります。
キャンドルはルターが灯したから
これはクリスマスの夜。夜道を歩いていたマルティン・ルターが星空の美しさに感動して、家にろうそくをともしたツリーを飾るのを思いついた。といういいつたえにちなんでいます。たとえルターがろうそくを灯したとしても1530年代のドイツではろうそくは高級品なのですぐには広まらなかったでしょう。普及したのはルターよりも後の時代です。
今では火の付いたろうそくを灯すのは危険なので電飾することが多いです。
お菓子・プレゼント
クリスマスツリーにはお菓子を飾ることも多いです。ヨーロッパには12月6日聖ニコライの日に聖ニコライがプレゼント(お菓子)を配りに来る。という言い伝えがありました。聖ニコライはサンタクロースのモデルとも言われます。
そのためクリスマスツリーにもお菓子が飾られます。お菓子やプレゼントを入れる靴下状の袋。玩具やプレゼントそのものを飾ることもあります。
ベル
クリスマスツリーにはベル(鈴)をかざることもあります。これは古代のヨーロッパで冬至の魔除けとして使われていたからです。クリスマスには意外とキリスト教と関係のない習慣が多いのです。
飾りの仕上げは 天使の髪
ツリーの周囲を銀色の糸状のものがぐるぐると取り巻いているものがあります。この銀色の糸をエンゼルヘアー(天使の髪:angel hear)といいます。飾り付けを楽しくするユーモアあふれる余興でした。
人々は飾り付けの最後に一本の銀(アルミニウム)の糸でツリーを飾りました。そして子どもたちに天使が飾り付けをしたんだよ。飾り付けするときに身を乗り出しすぎて髪が引っかかったんだ。と言ったそうです。
現在では雪の演出としてガラス繊維でできたツリー用の飾りを使うことが多いです。
完成品を購入という方法も
いかがでしたか?
ツリーには様々な飾りがありますが。それぞれに意味があったのです。そうした意味を考えながら飾り付けするのも楽しいかもしれません。
でも、全て揃えるのは面倒という方のために、最近ではセットになったクリスマスツリーもあります。セット品を購入するのもお手軽です。
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