蜘蛛(クモ)にはどのような知らせ・スピリチュアルな意味があるのか紹介します。
蜘蛛は神秘的な生き物です。古より人々は様々な意味をクモに見つけてきました。あなたの目の前に現れたクモはいったい何を知らせようとしているのでしょうか?
ほとんどの蜘蛛は人間に危害を加えることはありません。蝿や蚊などの害虫を食べてくれるので人間にとっては良い虫です。
ところが
ずんぐりした胴体に八本の足。たくさんの目玉にキバ。そして毒々しい色。という外見のせいで人間に誤解されたり、嫌われることもあります。
クモは古来、善と悪の両方のイメージで語られた生き物でした。
古代より蜘蛛(クモ)は馴染み深い生き物でした。人間にはない特別な能力があると考えられ、様々な伝説や物語に登場します。そうした伝説や古代人の信仰がもとになって蜘蛛にはさまざまなスピリチュアルな意味が生まれました。
蜘蛛にどのようなスピリチュアルな意味があるのか紹介します。
見た目の不自然さに惑わされて蜘蛛の意味を見逃すとあなたの人生にとって損かもしれませんよ。
蜘蛛は幸運の生き物
日本では「朝、蜘蛛を見かけると縁起がいい」といわれます。
反対に夜蜘蛛をみかけると縁起が悪いと言われます。
蜘蛛には正と負の両方のイメージがあるのです。
でも地域によって違いがあり、夜の蜘蛛も縁起がいい。という地域もあります。
ヨーロッパでは伝統的に悪いイメージのことが多いのですが。良い意味の地域もあります。
クモは財運と繁栄の象徴
イギリスでは蜘蛛は「繁栄を運んでくる生き物」とされます。
天井から蜘蛛が降りてきたら財産が増えるといわれます。
衣類に蜘蛛が入っているとお金が増える。といわれます。
蜘蛛は殺してはいけません。間違って家に入ってきた蜘蛛は外に逃がしてあげましょう。
蜘蛛に限らず、生き物を逃してあげるのは魂の得を高める良い行いのひとつでもあるからです。
仏教では善い行いをすれば必ず現世または来世で幸福がおとずれるとされます。どのような小さなことでも巡り巡って予想もつかない形であなたのもとに帰ってくることがあります。
スピリチュアルな言い方では魂が高次元に上がるための修行のひとつです。
なお。家の中で蝿や蚊を食べている小さなハエトリグモは無理に外に出さなくてもいいです。家の中を住処にしているからです。ハエトリグモは貴方の知らないところで蝿や蚊を食べているので、家の中にいることはお互いにメリットがあるのです。
でも網を張る種類の蜘蛛は家の外に出してあげたほうがいいですね。外のほうが網にかかる獲物が多いでしょうから。
神の意志を伝える使者
蜘蛛は糸できれいな網をつくります。そのため世界各地で機織りと結びつけて考えられました。
古代中国では機織りや裁縫の技術が上手になるための儀式で蜘蛛が大切な役割をはたします。
中国の南北朝時代に書かれた「荊楚歳時記」には七夕の風習が載っています。
7月7日の夜。女性たちは機織りが上手になるように祈願していました。
7つの穴がある針に色とりどりの糸を通して飾り。酒や瓜、果物をお供えしました。このときお供え物の乾燥した瓜の中に小さな蜘蛛を入れました。蜘蛛が網をはると願いが叶う。とされました。
後に民間にも伝わります。
「東京夢華録」という本には北宋時代の風習が書かれています。(ここでいう東京とは北宋の首都・開封のことです)
女性たちは月に向かって針の糸を通し。箱の中に蜘蛛を入れました。次の日「蜘蛛が丸い網をはっていれば裁縫が上手になる」とされました。
当時の女性は機織りや裁縫が上手だと良いお嫁さんになれると言われていました。また牽牛と織女の伝説にあやかって良い人と結ばれたいという願いを込めていました。
七夕の夜に願いをすると、技術が身につくだけでなく良縁の効果もあると信じられたのです。
このとき願いが叶うかどうかを占うために蜘蛛が使われました。
蜘蛛は神様のメッセージを伝える役目をしているのですね。
蜘蛛が貴方の目の前で網をはるのは、願いが叶うというサインかもしれません。
蜘蛛は努力と忍耐・希望のメッセージ
イギリスでは蜘蛛は「努力と忍耐、そして希望の象徴」とされます。
蜘蛛が精密で美しい巣を時間をかけて作ること。獲物が来るまでじっと待っているからです。
イギリスには蜘蛛に運命を託して国王になったロバート・ブルースの伝説があります。戦いに敗れた国王が蜘蛛が巣を作るのを見て勇気をもらい、再び戦いを挑んで勝ったというお話です。
この伝説では蜘蛛は努力と忍耐の象徴。希望の生き物として登場します。
ロバートは蜘蛛を通して粘り強さ・忍耐づよさ。そしてその先に希望が待っているのを知りました。
他にも古代イスラエルの戦士ダビデやイスラム教の開祖・ムハンマドが蜘蛛に命を救われたという話もあります。
蜘蛛が巣をはっているのを見たら努力が報われるサインかもしれません。あなたが人生の中で何かを続けるか止めるか悩んでいる時。蜘蛛の巣をみかけたら観察してみると運が引き寄せられるかもしれませんね。
蜘蛛を大切にしていると、あなたに迫った危険から守ってくれるかもしれませんね。
創造力のシンボル
蜘蛛は生物界の奇跡ともいえる見事な巣を作ります。昔から機織りに例えられ、虫の中でも優れた芸術性・創造性を持った生き物だと考えられてきました。
アメリカ先住民の間では蜘蛛は世界の相乗の象徴とされています。
進路やこれから何をするかで迷ったとき。何故か蜘蛛が気になることがあったら、あなたの持つ創造性、複雑で繊細な物事に向いている。というメッセージかもしれません。
貴方の内面性を写す鏡
蜘蛛は人間の内面性、心理状態を映し出す鏡としての性格が強い生き物です。蜘蛛が貴方自身の心の状態を伝えているのです。
見る時間やシチュエーションによっても受け取り方が違うのはそのため。
蜘蛛を見て、楽しい・キレイ・不安・不気味と感じることがあったら。それは蜘蛛に原因があるのではなく貴方自身の心の中に原因があります。
心の状態を表現するものを心理学用語ではシャドゥセルフと言います。蜘蛛はシャドゥセルフとしての性格を強く持っている生き物なのです。
そこで時間別、シチュエーション別に蜘蛛をどう感じるかで貴方のスピリチュアル的な状態を知ることができます。
時間で変わる蜘蛛の意味
「朝の蜘蛛は殺すな」とか「夜クモに出会ったら殺せ」とか。蜘蛛は時間帯によっても違う言い伝え・迷信があります。それだけ日本人は蜘蛛に神秘的な何かを感じてきたからです。
朝・昼・晩の時間帯別に蜘蛛のもつ意味を紹介しましょう。
朝の蜘蛛は幸せ
朝~午前中の間に見かける蜘蛛は幸運の印です。
今日一日、幸運が訪れる。運気が上がると言われます。
蜘蛛は繊細な巣を作ります。雨の日や風の強い日には巣は作りません。天気のいいときは朝から巣を作ります。そのため蜘蛛は天気を知る目安にもなりました。
天気がいいと心も明るく・前向きになります。あなたが朝に蜘蛛を見て気になった。そんなときは貴方の心も良い状態なのでしょう。運気が上がっているのかもしれません。そんな日はポジティブに活動したいですね。ポジティブに活動することが幸運を引き寄せるコツなのです。
昼の蜘蛛もラッキー
日中に見かける蜘蛛もほぼ午前中の蜘蛛と同じ。基本的には縁起のよいサイン。でもこの時間帯だからと気にするよりも、すでに紹介した蜘蛛のそのものがもつ意味に注目すると良いかもしれません。
夜のクモは不吉?
クモは良い生き物と悪い生き物の両方のイメージをもっています。
「夜クモに出会ったら殺せ」とか「夜の蜘蛛は盗人を呼ぶ」と言われている地域もあります。
でもクモに人を殺す力はありません。ハチのような強い毒もありません。クモの何が危険なのでしょうか?
昔は電気がなく夜は真っ暗、人間は不安な勘定になりやすい時間帯です。そんなとき異様な姿をした生き物に出会ったら、よくない感情が先に出てしまうこともあるでしょう。
そんな人間の不安心理から生まれた誤解なのです。でもスピリチュアル的にはもっと深い意味があります。
あなたの中にある危険のサイン
ここで気をつけてほしいのは蜘蛛は貴方の内面やスピリチュアルなものを映し出す鏡だということ。
勘違いしやすいのですがクモが危険を運んでくるのではありません。知らせているだけです。
例えば。試験の不合格通知を郵便屋さんが運んできたからといって、郵便屋さんが貴方を試験で落としたのではありませんよね。不合格通知を持ってきた郵便屋さんに文句を言っても何の解決にもなりません。むしろあなたはただの嫌なヤツです。
それと同じ。蜘蛛が不吉だと思って殺しても何の解決にもなりません。むしろ無意味に生き物の命を奪ったのですから、不運を引き寄せるだけです。
大切なのはあなたを不安にしているものは何か?を知ることです。
あなたが何を不安に思っているのか冷静に振り返ってみてください。あなたの中に、怒りや不安を溜め込んでいませんか?嫌なことを無理して我慢して限界が近づいていませんか?
あなたのどこかに心当たりがあるはずです。
クモはあなたに負の感情があることを気が付かせてくれただけなのです。
もし「そのまま居座られて巣を作られたら困る」と思ったら。そっと外に逃がしてください。間違っても殺してはダメですよ。
蜘蛛はあくまでもあなたに知らせているだけ。もっと言えば、何かが蜘蛛を使ってあなたに知らせているだけ。蜘蛛そのものに幸運を与える力や不幸にする地下はないのですから。
ここで紹介した蜘蛛の伝説について。もっと詳しく知りたい方はこちらを御覧ください。
・蜘蛛の伝説・伝承
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