神棚には神社で授かったお札(おふだ)・御神札をお祀りします。
でもお札は永遠に使えるわけではありません。お札はいつどのように交換すればいいのでしょうか?
お札を交換しなければいけない理由。
お札の交換の時期、方法。
交換した古い御札の処分方法について紹介します。
御札はどうして交換するの?
御札は神様の魂を分けていただいたもの。でも永遠ではありません。月日がたてば効力は落ちます。世の中に永遠のものはありません。
そこで古くなった御札をお返しして、新しい御札を授かったほうがよいのです。
神様のパワーが衰えるというのは日本の神様独特の考え方です。伊勢神宮では式年遷宮をしていますよね。あれは年月ともに神様の力も弱まるので、社を建て替えることで再び神様のパワーを復活させようというものです。
生まれ変わることで常に若々しい力を保つというのが古くからある考え方なんですね。
他の神社では様々な都合で定期的に建て替えるというのはあまりしません(重要文化財や国宝に指定されると建て替えが出来ません。できるのは改修のみ)。でも傷んだところを直せば神様の力も強くなるという考え方は引き継がれています。
あなたの家庭にある神棚も同じです。
御札は神様そのものではなく、神様の魂を分けていただいたもの。だから神様の力も長続きしません。その目安は1年といわれています。きっちり365日でゼロになる。というわけではありませんが、キリがいいというのもあって1年で替えるのが一般的です。
御札はいつ変えればいいの?
では、御札はいつ交換すればいいのでしょうか?
よくいわれるのは、
年末に新しい御札をいただいて。
新年になると古い御札をお返しするというものです。
年末に古い御札をお返しして。
新年に新しい御札をいただく。
のではありません。
新年を迎える前に御札を新しくしておくのです。
年末に大掃除してしめなわを飾るのと同じ。
新しくきれいにして新年を迎えるのですね。
「年末に行っても新しい御札は置いてあるの?」と思うかもしれません。
毎年年末には伊勢神宮から全国の神社に神宮大麻が配られます。
よく参拝に行く京都のある神社でお聞きしたところ。12月になれば新しい御札が届くそうです。
だから年末の忙しいときではなく。12月に入って都合の良い日に神社に行けばいいのではないでしょうか。
神宮大麻は伊勢神宮から配られる分しかありません。神社によっては10月や11月に行くと神宮大麻がおいてないこともあります。12月に入ってからの方がいいと思います。
交換する日はいつがいいの?
年末までに交換するとして。
では、いつがいいのでしょうか?
いつでもいいです。
御札の交換はお正月飾りをするときに一緒にする人も多いと思います。
お正月飾りを大晦日(12月31)にするのは一夜飾りと言って、よくないという地域もあります。30日も同様に短すぎるのでよくない。29日は「二重苦」につながるのでよくない。と言われることもありますが。「迷信」なので意味はありません。
31日がよくないというのは。神様のつごうというより、人間側が忙しいのでその日にはやってられない。というのもあるのでしょうね。もちろんその日に時間がとれるならそれでもかまいません。
御札はとくにルールで期限が決まっているわけではありません。いつ交換してもいいのです。できるときに行なってください。
御札は絶対に交換しないといけないの?
でも、毎年変えるのは出費がかさむし。
なんか交換するのもったいないよね。と思う人もいるかも知れません。
もちろん、交換しないからといってバチがあたるとか。ペナルティがあるわけではありません。問題はないです。
交換しなければみずみずしさは落ちてしまいますが。そのぶんあなたが強く神様を信じて、こちらから繋がるようにすればいいのです。
我が家の神棚も三つの御札をお祭りしていますが。そのうちのひとつは私の出身地の産土神の御札を祀っています。毎年故郷に帰れるわけではないので何年も交換していないこともあります。でもそのぶん毎日手を合わせて繋がるように心がけています。
また御札を交換する費用が惜しいと思うようになったらあなたにとって神様の存在はそのくらいのものでしかないということ。何を大切にするかはあなたの自由ですから交換したくないなら交換しなくていいと思います。
要するにあなたが神様を信じる心が大切。重要なのは形ではなく。あなたが心から神様を信じて繋がろうとすることです。御札を交換したり、水やお供え物を変えたり、手を合わせる。という行動はあなたが神様に繋がろうと意識するきっかけや意識・習慣をつくることなんですね。
逆に毎年交換しても信じてなかったり手を合わせてなかったら意味はありません。御札交換したくないな。と思うならすでにあなたの心が神様から離れているということなので、神様に繋がりにくくなっても仕方ない。ということですね。
御札をお返しするときのマナー
ぞんざいに扱わない
古くなったとはいえ古い御札はゴミではありません。ぞんざいな扱いはよくありません。カバンに無造作に突っ込んでというのはよくありませんよね。
風呂敷に包んで持っていきましょう。とか、
和紙に包んで持っていきましょう。
といわれることもあります。確かに神経質な人はそのように扱っています。
でも日本の神様だから和風なものに入れなければいけない、というわけではありません。風呂敷でなくても袋に入れて大切にして持っていけばいいと思います。大きめの封筒でもいいですし、ビニール、合成線維、合成皮革の袋でもかまいません。
現代の風呂敷だって、よほど高級なものでないかぎりはポリエステル線維だったりします。スーパーや量販店、通販で売ってる風呂敷の多くは合成繊維です。
例えばネット通販などで安く売ってる風呂敷は素材はレーヨンです。ポリエステルよりは高級ですが合成繊維です。でもそれでもいいのです。
形や素材は問題ではありません。
「丁寧にあつかう」という気持ちが大切なのですね。
丁寧に扱う方法は人によって違いますので。あなたなりの誠意の見せ方で御札を持っていくといいですね。
必ずしも作法が決まってるわけではないのです。
返納の時期
一般的には年が明けてから御札をお返しします。
いつまでに返さないといけない。なんて決まりはありません。都合のいいときに返しに行くといいです。
年が明けて初詣に行くときに返すことが多いです。元旦に行くのがためらわれるときは、2月に入ってもかまいません。
返納場所
神社に行くと古札返納所があります。古いお守りをお返しする場所ですね。そちらにお返しします。古札返納所神社の一画に返納所を儲けているところが多いですが、授与所の窓口で受け付けているところもあります。
お返しするときは一年の感謝の気持ちを忘れないようにしてくださいね。手を合わせて一年の感謝の気持ちを伝えましょう。
もとの神社にお返ししなくてもいい。
神棚には一つの御札だけでなく、二つや三つの御札をお祀りしている家庭もあると思います。我が家では三つの御札を置いています。
すると御札をいただいた神社は二箇所以上ということになります。
遠方の神社に行ったときに授かった御札もあると思います。
でも、御札を返すときはもとの神社に返さなくてもいいのです。一箇所にまとめて近くの神社にお返ししてもいいのです。
さすがにお寺の御札は受けて付けてくれない神社はあります。そのときは神社とお寺の御札は分けたほうがいいですね。
作法にこだわるよりも気持ちを大切に
御札のお返しについていろいろ書きました。確かに作法があります。でもあまり作法にこだわる必要もありません。神職の方はともかく、一般人向けの神道の作法はあまり厳しいものではありません。
神道自体がかなり「ゆるい」信仰だからです。仏教やキリスト教のように細かいきっちりとした教えや作法があるわけではありません。
初詣にしても庶民が初詣をするようになったのは明治からです。
それまでは貴族や家・地域の代表が年始に歳神様をお迎えに神社に行くことはあっても、庶民の多くが年始に神社仏閣に行くなんてことはあまりありませんでした。明治以降に広まった新しい習慣なのでそんなに気にする必要もないと思うのです。
初詣も「ひとつの区切り」くらいに考えればいいと思います。
と、ここまで書いておいて言うのも変ですが。
僕の場合は神社で御札をいただいた月を基準にしてだいたい一年で御札を替えるようにしています。だから年末に御札を返すことはあまりしません。行きたいと思った時に神社に行って御札をいただいてくるのです。
でも、なんの問題もありません。毎日、神棚に手を合わせて感謝していればそれで神様も分かってくださるのだと思います。
しきたりも大切ですが、丁寧にお祀りするという気持ちも大切にしてくださいね。
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