六芒星(ヘキサグラム)のスピリチュアルな意味

六芒星(hexagram:ヘキサグラム)は魔除けと魔術的な力を引き出すための模様として使われます。

六芒星は古代より五芒星とともにメジャーな魔除けの印として世界各地で使われています。

スピリチュアルな世界ではさらに深く研究され、霊的な力を引き出すための紋章として考えられました。

六芒星の不思議。六芒星のスピリチュアルな意味について紹介します。

間違われやすいヘキサグラムとヘキサゴンの違いについても紹介します。

 

目次

六芒星とはどんな図形?

まずは六芒星とはどのような図形なのか紹介しましょう。

円を等間隔に6つに分けてその点をむすぶと正六角形(ヘキサゴン)になります。
HEX

 

六角形の頂点を線で結ぶと正三角形を二つ合わせた形がでてきます。

六芒星

これが六芒星です。英語ではヘキサグラム(hexagram)といいます。

でも、ヘキサゴンと言った場合には六角形になってしまいます。6つの角がある星型の場合はヘキサグラムです。

ヘキサグラム(六芒星)とヘキサゴン(六角形)は言葉は似てますが違うものなので注意しましょう。

一般的に「六芒星」、ヘキサグラム(hexagram)と言った場合には中を塗りつぶしたものも含まれます。

六芒星

ダビデの星やインドのシャトコナは輪郭のみです。

hexagram

六芒星(ヘキサグラム)は魔除けの印

六芒星は古代より魔除けとして使われました。

シュメル文明やバビロニアなどの古代オリエントで使われていました。人類の文明と同じくらい歴史のある魔除けなのです。

六芒星は五芒星と同様に一筆書きができます。線に切れ目がないので悪霊を結界のなかに閉じ込めたり、逆に結界のなかに悪霊が入らないようにできます。

六芒星は悪霊が怖がるをたくさんもっています。線と線が交わった部分が目になるんです。

六芒星(Hxagram)は調和・完全のシンボル

古来より六芒星は人間に魔術的な力を与えると考えられてきました。

六芒星は上向きの三角形△と下向きの三角形▽があわさった形です。

上向きの三角形は物質の霊への上昇。下向きの三角形は霊から物質への下降を意味します。人間にあてはめると物質とは肉体。霊とは魂です。魂と肉体の調和を意味するのです。

他にも二つの三角形は二つの対になるものを意味します。

例えば、天と地、光と闇、火と水、風と土、神と人、男と女などです。二つの三角形があわさることで異なるエネルギーの融和・調和を表現したのが六芒星です。

西洋の魔術では五芒星は上下が逆になると意味が変わると言われることもあります(ただしこれは俗説なので本来は上下逆でも関係ありません)。でも、六芒星は上下が逆になっても意味は変わりません。

世界の六芒星

日本の六芒星・籠目紋

六芒星は五芒星とともに古代の日本に伝わりました。大陸から伝来した呪術の魔除けのなかに六芒星や五芒星があったようです。

六芒星も五芒星と同様に魔除けとして使われました。五芒星は陰陽道や仏教と結びつき広く普及しましたが、六芒星は民間信仰の中で使われることが多かったようです。民間信仰の一部が神社に残っていることがあります。

日本では六芒星を籠目紋(かごめもん)と呼びます。

竹で編んだ籠の形に似ているからです。六芒星の星が連なった籠を「目籠」といいます。

籠目

 

目籠も魔除けになると考えられました。鬼が逃げていくともいわれます。

六芒星と同じく目籠にはたくさんのがあります。悪霊や鬼はたくさんの目を怖がるのです。

日本には事八日(ことようか)と呼ばれる風習があります。2月8日が事始め。事始めは農業の準備を始める日。12月8日が事納め。事納めは農業の片付けを行い。神様を迎える準備を始める日です。

関東や東北では1年の御事始めや事納めの日には鬼がやってくるのを防ぐため。目籠を戸口や軒に吊るしたりたてかけてる習慣がありました。

籠目紋を旗や幕の根本「乳(ち)」に刺繍して魔除けに使うこともあります。

例えばこの戦国時代の旗には九字紋とともに籠目紋が刺繍されています。

 

 

現代でもお祭りや冠婚葬祭の幕、のれんの乳などに六芒星などを刺繍している場合もあります。

神社には魔除けや聖域を守る結界として六芒星を使っているところもあります。

六芒星には魔除けや聖域を守る結界としての役目があるのです。

籠目紋はダビデの星と似ているので日本=ユダヤ論と結び付けられることもあります。でも両者の間には関係はありません。日本で六芒星が使われるのはインドのシャトコナが中国を経由して伝わったからです。

麻の葉模様

日本の六芒星のバリエーションには麻の葉模様があります。

麻の葉模様

子供の衣装の模様に使われるほか、縁起のいい模様としてよく使われます。古代、麻は繊維を作るために重要な植物でした。麻は成長が早くとくに手入れしなくてもよく育ちました。そのため「すくすく成長するように」という願いをこめて子供の衣装の模様によく使われました。

曼荼羅や仏像の模様としても使われました。よく似た模様は大麻比古神社や様々な神社の神紋としてもつかわれています。

調和と創造・インドの六芒星シャトコナ

hexagram

インドでは六芒星はシャトコナ(Shatkona)とよばれます。シャトコナは調和、創造を意味します。

ヒンズー教、仏教、ジャイナ教などインド発祥の宗教ではシャトコナが使われます。

インドでは集中力やインスピレーションを高める道具としてヤントラ(Yantoras)を使います。ヤントラには神様や神秘的な意味が込められています。ヤントラには様々な模様があります。その中に六芒星と同じデザインのシャトコナ(Shatkona)があるのです。シャトコナは輪郭線だけの図形。中は塗りつぶしません。

上向きの三角はや男神シヴァ、男らしさ。下向きの三角は女神シャクティ、女らしさを表しています。また、シャトコナは6つの顔を持つ神様・スカンダを意味しています。スカンダはシヴァとシャクティの子供です。つまりシャコナは男性と女性による創造を表しているんですね。

精神や霊魂のプルシャ、物質・自然・肉体を意味するのプラクリティの融合の意味も持ちます。精神世界と物質世界の調和を意味します。

シャトコナはそれ単体でも使われますが、様々な図形と組み合わせてヤントラやチャクラのシンボルとしても使われます。

インドのシャコトナと中東のソロモンの星(ヘキサグラム)は同じデザインです。どちらが先なのはわかりません。どちらが先にしてもシャトコナとソロモンの星(ヘキサグラム)の起源は同じのようです。

日本に入ってきている六芒星(籠目紋)はダビデの星やソロモンの封印ではなく、インド由来のシャトコナが中国を経由して入ってきたようです。現在のオカルト業界でもインドは盲点になっているので意外と知られていません。

悪魔を操る知性の象徴・ソロモンの封印

アラビア圏、イスラム社会では六芒星は”ソロモンの封印:クタームスレイマン”といいます。ヨーロッパでも神秘主義の広まりでソロモンの封印(Seal of Solomon)の呼び方が広まりました。”ソロモンの星”ともいわれます。

ソロモン王は指輪の力によって悪魔(イスラム教ではジン)を操り、動物と話すことができたといいます。ソロモン王がもっていた指輪が「ソロモンの指輪Ring of Solomon」。その指輪に刻印されていた模様がソロモンの封印(Seal of Solomon)です。

ソロモン王は古代ユダヤの王でした。古代中東では有名な人物だったのでユダヤ人だけでなくアラブ人やペルシャ人もソロモンを高い知識の持ち主と考えていました。伝説ではソロモンの封印がどのようなデザインだったのかはわかりません。

中世アラブ社会では「ソロモンの封印は六芒星」と考えられ、高い知性を表すシンボルとして広まりました。オスマン帝国では軍の旗に六芒星が使われました。

そのためソロモンの封印は「高い知識」や「悪魔をも操る不思議な力」を象徴するシンボルマークになりました。

イスラエル建国後は六芒星はユダヤのシンボルマークになったので現在のイスラム圏ではあまり使用されません。代わりに五芒星を使うようになりました。

六芒星=ユダヤではない

六芒星はダビデの星(Star of David)と言われることもあります。

現在はダビデの星はユダヤのシンボルです。

でも六芒星は古代イスラエルのダビデ王とは関係ありません

六芒星がユダヤのシンボルになったのは意外と最近です。

ユダヤと六芒星の関係はこちらで紹介しています。

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古代にはインドから中東、北部アフリカあたりの様々な地域で使われていました。シナゴーク(ユダヤ教の礼拝所)では魔除けとして六芒星と五芒星を両方とも使っていました。六芒星はユダヤのシンボルではありませんし、ユダヤ人が独占した印でもなかったのです。キリスト教では創造の星(Star of creation)と呼ぶこともあります。世界中で使われている魔除けのひとつでした。たまたまユダヤ人のいる地域でも使われていただけなのです。

だから古代から伝わる六芒星はユダヤだけを意味するものではありません。

古代世界の多くの人々を魅了するシンボルなのです。

 

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