節分が来ると話題になるのが「恵方巻き」
家庭で手軽にできるし、縁起がいい。というのでちょっとしたブームになってます。
「でも、うちは豆まきだけだよ」とか
「恵方まきはやらないよ」
という方もいるでしょう。
もともとは大阪で始まった習慣です。
僕は四国の生まれですが恵方巻はなかったですね。近畿に来て知りました。
広告やマスメディアではよく見かける恵方巻。
その正体は何?
というわけで本当は怖い恵方巻きの招待を紹介します。
恵方巻きとはなに
節分の行事です
恵方巻きとは簡単に言えば節分の夜に巻き寿司を食べる行為ですね。
だから、恵方巻を食べるのは
2月3日の夜です。
恵方巻の手順
・巻きずしを用意します。一人一本です。
・恵方とよばれる、縁起のよいとされる方向を向きます。
・願いを思い浮かべながら、無言で、巻きずしを食べます。
目を閉じるという人もいます。
たったこれだけです。
簡単ですね。
これで願いがかなうならお安いものです。
でもなんで恵方巻をするんでしょう。
どんな意味はあるのでしょうか?
名前
ここでは「恵方巻(えほうまき)」と言ってますが。名前はたくさんあります。
丸かぶり寿司、丸かじり寿司、恵方寿司、巻き寿司など。
幸運寿司、招福寿司、開運寿司とよばれたこともありますが、今ではあんまりないかもしれません。
決まった呼びかたはないんです。
全国的に一番有名なのは、「恵方巻」だと思います。
何でかというと、ある大手コンビニチェーン店が「丸かぶり寿司 恵方巻」という商品で全国的に売り出したのが大ヒットしたからだと言われています。
つまり、コンビニが作った商品名なんですね。
でも「恵方巻」という言葉を使ったからといって訴えられるわけではないようです。
どんな寿司を食べればいい?
巻きずしを食べる行為だとされています。
7種類の具が入った太巻きがいいといわれます。七福神にちなんでいるからです。
でも何を入れるのかは決まっていません。
今では7という数にはこだわらないところも多いです。お店の都合や買う側の財政事情によって変わってきます。
太巻きではなく巻き寿司であれば何でもいいという人もいます。
つまり、
具の種類や数はどうでもいいということです。
でもひとつだけ変えてはいけないルールがあります。
刃物で切ってはいけない、ということ。
売ってるものを一本まるごと食べます。
切るという行為は「縁を切る」につながり縁起が悪いからです。
2021年の恵方は南南東
恵方というのはもともとは陰陽道の考え方。
歳徳神(としとくしん)のいる方角のことです。
歳徳神とは幸福をもたらしてくれる神様です。年によっている方角がかわります。
つまり恵方とはその年の縁起のいい方角のことです。
陰陽道の恵方は24方位に別けられています。
でも恵方巻で使われる恵方は簡略化されていることが多いです。
歳徳神は日本では年神と同じ神様だと考えられています。年神とは正月にやってくる神様です。
つまり、年神様(歳徳神)が家にやってくるのは正月。
節分や立春に神様が家に来るわけではない。あくまでも年神様のいる方角を向いてお祈りをする。ということです。
2021年の恵方は南南東です。
恵方巻の起源
なぜ恵方巻をするのかは謎です。
さまざまな説があります。でも、どれが正しいのか分かりません。
さまざまな説から説得力のありそうなのをまとめるとこうなります。
江戸時代から明治時代にかけて大阪の商人が始めた厄払いや遊び。
でも、確実に分かるのは。
・大正時代から昭和の初期にかけて、金持ちの若旦那が大阪の花街で節分に恵方に向かって海苔巻きを食べる習慣があった。
・1932年(昭和7年)。大阪鮓商組合や海苔組合が「節分の丸かぶり寿司」として宣伝した。
・1940年(昭和15年)。大阪鮓商組合後援会が「節分の丸かぶり寿司」として宣伝した。
その後、廃れましたが戦後になって復活。
・1949年(昭和24年)大阪鮓商組合が「節分の丸かぶり寿司」を復活させる。
でも一般家庭には流行りませんでした。
・1973年。大阪海苔問屋協同組合が「幸運巻ずし」として大規模に宣伝。
オイルショックなどで需要の落ち込んでいる海苔の販売拡大のために行われました。
近畿地方を中心に広まりました。
現在の恵方巻きは1970年代にはじまったもの。
わりと新しい習慣です。
その後、正月が終わり消費の落ち込む1~2月にかけて販売拡大のため寿司、海苔業界が販売活動に力を入れるようになりました。
でもこのときは主に近畿地方だけ。
関東や地方ではあまり知られていませんでした。
・1989年(平成元年)。広島のセブンイレブンが「恵方巻」として販売。
・1990年(平成2年)。セブンイレブンが「恵方巻」を全国で販売。
これがきっかけとなって、全国的に広がり「恵方巻」の知名度が一気に上がりました。
恵方巻きが全国的に広がったのはコンビニの宣伝のおかげ。
近年では、販売業界も更にヒートアップ。
海苔巻きは更に豪華に、便乗商法も過熱してます。
一本5000円の海苔巻って、誰が食べるの?と思うようなものも予約受付中になってます。
巻いていたらなんでもいい → ロールケーキ、ワッフル、ロールサンド
棒状の物ならいい → ポッキー、プリッツ
進化系恵方巻とか、のりまきはもう古いこれからは○○とか、次々と新しい物が発売されてます。
既に無法状態に突入しているような・・・
というわけで、恵方巻きにはとくに深い意味はないみたいです。
ぶっちゃけた話。
恵方巻きは
金持ちの男たちが花街でやってたお遊び。
たいした意味はない。
ですね。
販売のための手段です。
バレンタイン、クリスマス、ハロウィンと同じです。
日本はこの手の商売の都合で始まった習慣が多いですね。
だから関西のお年寄りからは「あんなの真似するもんじゃない」という話を聞いたことがあります。遊び人が花街でやってたお遊びですからね。良い子には真似させられません。
恵方巻きは商売魂とユーモアが融合したイベントということでしょうか。
でも日本人ってこういうイベント大好きですね。
楽しめたのならそれはそれで良いことかもしれません。
最近は食べずに捨てられる食品ロスも問題になってるので加熱しすぎるのは問題ですが。
だから難しく考えないで、あるものを食べて楽しめばいいんじゃないでしょうか。
その中で「いいことがある」と願うことが大切だと思います。
それにしてもみなさん商魂逞しいですね。
一番のご利益はこの「商魂魂」かもしれませんね。
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