不成就日(ふじょうじゅにち、ふじょうじゅび)とは、何をしてもうまくいかない日、願いが叶わない日。縁起の悪い日といわれます。
でもなぜ縁起が悪いのでしょうか?何をするとよくないのでしょうか?
不成就日はカレンダーや暦に載ってる「暦注」の中で、選日(せんじつ)というその日の吉凶を占う項目の一つです。
昔からたくさんの選日がありましたが、現在もいくつかが使われています。不成就日も現在も使われている選日です。
いかにも縁起の悪そうな名前なので気にしてる人もいます。
不成就日の由来と意味。
2023年の不成就日を紹介します。
不成就日とはどんな日?
不成就日の読み方は「ふじょうじゅび」「ふじょうじゅにち」。
「ふせいじゅつび」「ふせいしゅくび」や「ふせいじゅび」ではありません。
一切不成就日ともいいます。
不成就日(ふじょうじゅび)とは、何をやってもうまくいかない日とされます。
とくにこの日に何かを始めるのはよくないとされます。
結婚、開店、子供の命名、引っ越し、芸事はじめ、契約、入籍、納車、上棟、地鎮祭などをするとよくないといわれます。
この日に急に何かを始めたり、願い事をするのもよくないとされます。
公式な暦には載ったことがない
いったい不成就日はいつ誰が決めたのでしょうか?
実はよくわかっていません。
平安時代の暦には不成就日はありません。朝廷が作った暦には載ったことがありません。幕府が公認した暦にも載ったことはありません。
室町時代に幕府の力が弱くなって各地で独自の暦がいくつも作られた時代があります。不成就日はその時代に会津地方の暦に載った事がありました。会津暦という暦で東北地方や北関東で使われていました。
江戸幕府が全国の暦を管理するようになると載らなくなりました。天赦、天一天上、天恩などは載っていましたが。不成就日は不採用です。
つまり朝廷や幕府も認めていない。暦を管理していた陰陽寮の陰陽師が信憑性はないと判断した可能性が高いですね。
どうやら民間で活動している占い師や宗教関係者が作ったようです。
幕府公認の暦には載らなくなりましたが。民間業者が発行した不許可の暦には載ってるものもあったようです。
明治時代。政府は様々な吉凶日を迷信だというので暦に載せなくなりました。
戦後。暦の発行は自由になりました。
すると「不成就日」は復活。全国に広まりました。
「不成就日」は昔はあまり知られていない。むしろ現代になって広まった凶日なのです。
不成就日は意味がない。
すくなくとも天赦日などの伝統のある吉凶日よりは信憑性が低い。といえますね。
不成就日の決め方
では不成就日はどのように決まっているのでしょうか?
不成就日は旧暦で決められています。1月(7月)から6月(12月)に1から6を割り振り、あとは8日ごとに繰り返しやってきます。簡単なしくみです。
普通、吉凶日は陰陽五行説や干支で割り振ることが多いです。でも不成就日はとくにそのようなルールもなく、数字パズルのようにてきとうに決めてる感じです。
現在の暦に載っている一度旧暦で計算した日付を新暦(グレゴリオ暦)に直したものです。
ところが新暦にすると毎年、不成就日になる日が変わります。新暦になってかえってミステリアスな感じがパワーアップしました。
人間は不規則なものに不安感を覚えます。むしろ新暦になって注目を集めた選日かもしれません。
でも仕組みを知っていればどうってことはありません。
不成就日と一粒万倍日が重なったらどうなる?
一粒万倍日と不成就日はどちらも「選日」のひとつ。
すでに書いたように。不成就日は地方の一部の暦や不許可の暦で載っていたもの。天赦日は信じられていましたが、不成就日はあまり信じられていません。
あまり気にする必要はありません。
不成就日が一粒万倍日や大安と重なった場合も同じです。
神社に参拝してはいけない・願いをしてはいけないの?
不成就日の効果?に「願い事がかなわない」と書いてあることがあります。
「それなら神社に行ってお願いしても叶えてもらえないの?」
「参拝してはいけないの?」
と思うかもしれません。
安心してください。
不成就日だからといって神様が願いを聞き届けてくれない。なんてことはありません。
不安に思うなら神社に行って聞いてみてください。
神社には厄払いに行ったりしますよね。良くなるように願ったり、厄を落としたり。方位除けをしたり。
むしろ悪いことが起きそうでもいいようにくれるのが神様です。暦の吉凶は気にしません。
もし、あなたの願いが叶わなかったのなら別の理由があるはずです。
あなたの努力が足りないのかもしれませんし。普段の行いやお願いの仕方に理由があるのかもしれません。決して不成就日のせいではありません。
気にしない
占いとは可能性です。
この日は吉だから全員いいとか、凶だから全員悪いなんてことはありえません。全員が同じなんてそれこそ非現実的で人間性を無視した話です。
もちろん吉凶日そのものは占いと同じなので科学的根拠はありません。
昔からそのように信じられていられていた。というだけです。
でも昔から信じられていたものにはそれなりの意味はあります。
この日にはこういう意味があるので気をつけましょう。
とか。
ちょっとした心がけの問題です。
人間はなにもないとだらだらと過ごしてしまいがちです。油断をしてしまうこともあるでしょう。
それに江戸時代以前は七曜(日月火水木金土)はありましたが吉凶を占うためのものでした。
日曜日が休みとは決まっていません。
だからたまには気をつけて生活してみる。無茶なことはしない。たまには休息をとってみる。そういうメリハリを付けるための日でした。
なにしろ昔は休日がありませんから1年中働き詰めです。仕事を休むにも理由が必要です。
休むことなく働いていたら倒れてしまいますしミスも多くなります。今日はなんかうまくいかない。そんなときに「今日は日が悪いから」というのは昔の人にとっては納得のいく理由だったのです。
なにしろ不成就日は8日に一度めぐってきます。
今日は凶日だから気をつけよう、ちょっと今日は止めておこう。というのは生活の知恵でした。
これは他の吉日凶日も同じです。人によっては仏滅がそうかもしれませんし別の選日がその役目かもしれません。人それぞれです。
だから現代の私たちは凶日を気にする必要はありません。
不成就日の過ごし方
それでも「どうしても気になる」というのなら
いつもより気をつけてみる。
いつもより休息をとることを心がける。
他の日にまわせるものなら他の日にまわしてみる。
というのもよいかもしれません。
それであなたの心が晴れるならそれでもよいのです。
くれぐれも、今日は「不成就日だから上手くいかないんだ」なんて決めつけないように。
心のなかでそう信じていると、自分で不幸を招いてしまいます。
不成就日だから上手くいかないのではありません。
あなたの心がそうさせているのです。
だから気にすることはないのです。
2023年(令和5年)の不成就日リスト
とはいっても気になる。という人はいるでしょう。
最後に令和5年(2023年)の不成就日を紹介します。
気になる方は参考にしてください。
1月 5、13、21日
2月 1、9、17、21日
3月 1、9、17、23、31日
4月 8、16、28日
5月 6、14、23、31日
6月 8、16、22、30日
7月 8、16、23、31日
8月 8、18、26日
9月 3、11、16、24日
10月 2、10、15、23、31日
11月 8、16、24日
12月 2、10、17、25日
この日には何をしても上手くいかないのではありません。
この日を本当にうまくいかない日にするか。
うまくいった日にするかはあなた次第です。
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