トンボは古くから日本人に馴染み深い生き物です。でも「赤トンボ」は他のトンボよりもスピリチュアル的、霊的な意味が強いトンボです。
ご先祖様が帰ってくるお盆のころに多く見つけること。色が生命を意味する朱色をしているため。特別ないわれのあるトンボと考えられてきました。
ご先祖様のしらせ、ご先祖様が帰ってくる意味ともいわれます。
私たち日本人に非常に馴染みのある赤トンボのスピリチュアルな意味・いわれを紹介します。
トンボのスピリチュアルな意味
まずは一般的なトンボのスピリチュアルな意味を紹介します。色に関係なくどのトンボにおもあてはまるもので参考にしてください。
勝運、勝利のシンボル
古来より、トンボは「勝ち虫」といわれました。トンボは自由自在に空を飛びますが、後進することはありません。トンボはバックには飛ばないのです。武将たちに好まれ、兜や鎧、刀の鍔羽織や印籠などにトンボの模様をつける武将もいました。
変化・進化のサイン
トンボは幼虫時代を水の中で暮らします。トンボの幼虫ヤゴは親と違い、エラ呼吸なのです。水中で生活する昆虫はたくさんいますが、魚のようにエラ呼吸する昆虫はほとんどいません。
そしてヤゴは成長すると水の外に出てトンボの成虫になります。トンボは大空を飛びます。とうぜん、空中では空気を吸って呼吸しています。
水中から空中へ。エラ呼吸から肺呼吸へ。ダイナミックな変化をする生き物なのです。
そこで、トンボは「変化」「改革」のサインと考えられています。トンボがあなたの目の前に現れたとき。何か変化・進化をもとめられているのかもしれません。
新しい視点の象徴
トンボは目が非常に大きいです。地球上に存在する生物の中で、顔の中で目が占める割合が一番大きいです。トンボの視野は270度といわれています。そして首をまわせばほぼ360度見ることができます。
あなたに広い視野が必要とされるとき。別の視点からものごとを考えたほうがいいとき。トンボが現れるのはそのようなときかもしれません。
赤トンボのスピリチュアルな意味
「赤いトンボ」つまり赤トンボには特別な意味があるのでしょうか?
赤とんぼのスピリチュアルな意味を紹介しましょう。
赤トンボは魂を運ぶ虫
昔の日本人は神秘的な出来事だと考えました。しかもトンボの多く飛ぶ時機はお盆とも重なります。
そこで人々は 祖先の霊が形を変えてやってきた と考えました。
古来より世界中で魂は空を飛ぶ生き物にやって来ると考えられました。世界中で魂が蝶や鳥の姿で現れるという言い伝えがあります。
日本ではトンボも魂が姿を変えた生き物なのです。
帰ってきた祖先の魂
赤とんぼ(アキアカネ)は夏から秋にかけて平地にやってきて群れを作ります。その時期がお彼岸と重なるので赤とんぼは祖先の魂が帰ってきたものだと考えられました。
赤とんぼがあなたに近づいてきたときには、祖先や亡くなった家族の魂が何かメッセージを伝えようとしているのかもしれませんね。
トンボを魂を運ぶ生き物。と考えるのは日本だけではありません。ネイティブ・アメリカンの一部の部族もトンボは故人の魂と考えます。
西洋のスピリチュアルな世界でもトンボは自然の精霊とつながる生き物と考えられています。
トンボがあなたの目の前に現れたとき。それは亡くなった誰か、あるいは祖先があなたになにかメッセージを伝えようとしているのかもしれません。
成長と実りの象徴
赤とんぼは羽化した直後は黄色い色をしていますが、夏の間に山でたくさんの獲物を食べて赤く染まります。秋になると山から平地に移動します。その時期がちょうど作物の収穫の時期と重なるので、赤とんぼは収穫や実りの象徴とされています。
赤とんぼを見かけた場合、今までの努力が報われることを意味するのかもしれません。またあなた自身が成長することの大切さを伝えようとしているのかもしれません。
生命力・活力の象徴
赤は生命力、愛情、活力を象徴する色です。
健康状態や家族・人間関係に気をつけるようメッセージを送っているのかもしれません。停滞している状況から、前に進む力が得られことを意味しているのかもしれません。
赤トンボの仲間たちと特徴
一般に赤い色のトンボを赤トンボといいます。でも赤とんぼと呼ばれる昆虫には様々な種類がいます。日本で良く見られる赤とんぼの仲間たちを紹介しましょう。
スピリチュアルな意味はみんな同じです。
アキアカネ:普通に見られる赤とんぼ
一般的に赤とんぼと言った場合、アキアカネ(秋茜)のことをいうことが多いです。
秋に見られる茜(あかね)色のトンボだから。アキアカネ。でも実際には夏場からいます。
アキアカネは夏から秋になるころに人里近くで群れになって飛び回ります。それまで見かけなかったのに赤トンボが突然大群になって飛び回るので驚くかもしれません。でも山から移動して来ただけなので、急に大量発生したわけではないのですね。
アキアカネの成虫は夏は山に移動してたくさんの餌を食べて栄養を蓄えています。秋になると繁殖のために平地におりてきます。トンボの幼虫はヤゴといって水の中で暮らす生き物なので、水田や池、川など水がある所に産卵するのですね。
このときアキアカネは群れになって平地にやってくるので非常に目立ちます。だから人々の印象に残りやすいのです。
ちょうど、アキアカネが平地にやって来る時期がお彼岸に重なったりするので、故人の魂を運んでいるように思われたようです。
トンボは物に捕まって休むとき、羽を水平にしたり、羽を上げたりすることが多いです。でもアキアカネの仲間は羽を下げて止まります。
寒い地域のアキアカネほど赤い色が濃くなるといわれます。
ナツアカネ:小さな群れで移動
ナツアカネ(夏茜)はアキアカネと見た目が良くにています。でもアキアカネよりもちょっと寸詰まり気味。ずんぐりした体つきをしています。
成虫は6月下旬から12上旬ごろまで活動。アキアカネのような大群は作りませんが、小さな群れを作ります。
小さな群れ単位で移動を繰り返すのに、昨日はいたのに今日は一匹もいない。なんてこともあります。
色の濃さはオスメスの違い(オスの方が赤が濃い)。成熟度の違い(成熟すると赤が濃くなる)なので。ナツアカネとアキアカネの色はあまり変わりません。
ショウジョウトンボ:全身鮮やかな赤
ショウジョウトンボ(猩々蜻蛉)は頭の先から尾の先まで全身が鮮やかな赤色。
猩々(しょうじょう)は中国の伝説上の生き物で赤い猿に似た怪物のこと。そこから名前がつけられています。
羽根の付け根が赤く色がついているのも見分けるポイント。
鮮やかな赤なのはオスだけで、メスは茶色がかっています。
まとめ
・素早く空を飛び、後ろに退かないトンボは勝運を運ぶ生き物です。
・トンボは変化や進化を促すシンボルです。
・トンボは視野の広さ・新しい視点の象徴です。
・夏から秋にかけて大群になるトンボは祖先や故人の魂と考えられました。
・夏の終りから秋にかけて見かけるトンボは祖先や故人が貴方にメッセージを送っているのかもしれません。
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