夏越の大祓の作法・楽しみ方とスピリチュアルな意味

夏越の祓

こんにちは。たかふみ@開運日和 です。

夏越の大祓は古くから日本で行われてきた伝統行事。

一年の半分にあたる6月30日とそれまでの期間に行われます。半年の間に身に溜まった罪や穢れを祓い、残り半年の無病息災を祈願するものです。

古くから人々は、夏の暑気や疫病を悪霊の仕業と考えこの夏越の祓を通して災いを祓い健康と安らぎ願ってきました。

この記事では夏越の祓の歴史や意味、そして現代におけるスピリチュアルな意味についてご紹介します。

また、夏越の祓の期間で神社で体験できることもご紹介します。

タップできる目次

夏越の大祓とは?

夏越の大祓の歴史と起源

大祓(おおはらえ)は神話の伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の禊祓(みそぎはらい)を起源にする行事です(*)。

この「特別な作法を行うことで罪穢れを祓う」という考え方が後の様々な行事のもとになっています。

古事記には仲哀天皇の御代に

爲國之大祓

出典:wikisource 古事記 仲哀天皇

という箇所があり、様々な罪を列挙した後に「国の大祓えして」と書かれています。大祓に罪を祓う意味があったことがわかります。

宮中の行事として正式に決まったのは飛鳥時代末期の大宝律令から。当時の内容はよくわかっていませんが平安時代の「延喜式」には細かい内容が書かれています。

当時は主に宮中の行事として行われました。天皇の即位式のほか、様々な災害の後にも行われたようです。当時は天皇自身が祝詞を唱えて罪穢れを祓っていました。応仁の乱で京の都が荒れ果てて中断。江戸時代に一部再興されましたが。本格的に復活したのは明治時代になってからです。

大祓は宮中で行われる他に民間でも行われました。民間の大祓も応仁の乱や神仏習合の影響で一時期廃れましたが。江戸時代に一部の神社で復活。当時は「夏越神事」「夏祓」「六月祓」と呼ばれていました(**)。

明治になって「大祓」の名で全国に広まり。現在でも全国各地の神社で行われています。

大祓は1年に2回行われます。

現在では

6月30日のものは「夏越の祓(なごしのはらえ)」
12月31日のものは「年越の祓(としこしのはらえ)」

といいます。

6月の大祓なので夏越の大祓と呼ぶこともあります。

昔から様々な呼び方があるので好きなように呼ぶといいでしょう。

(*)神社本庁 大祓
(**)wikipedia 大祓

夏越の大祓の意味と目的

夏越の大祓には主に以下の3つの意味と目的があります。

罪穢れを祓う

人間生きていればなんらかの罪や穢れは溜まるものです。小さな嘘をつくことはあるかもしれませんし。知らない間に虫を殺し植物を踏み倒しているかもしれません。人間社会の都合で決めた罪になっていないからといって、罪穢れがないとは限らないからです。

無病息災を祈願する

昔はそういう罪穢れが積み重なって病気になると考えられていました。それを落として残り半年間の無病息災を願う神事が夏越の祓です。

現代的に考えれば小さなストレスやネガティブな感情がたまって心身の不調になる。それを取り除いて心身ともに新しい気持ちで過ごすための行事。といえばいいでしょうか。

厄除け

夏越の大祓は、厄災を祓い除ける効果があるとされています。茅の輪くぐりなどの神事を通して、悪運を遠ざけ、幸運を呼び込むことができると信じられています。

夏越の大祓の時期と開催場所

夏越の大祓は毎年6月30日に行われます。茅の輪くぐりなどは6月に入ると実施されるところも多いようです。

日本各地の神社で行われていますが。具体的な開催期間や時間、内容は神社によって異なります。事前に神社のホームページなどで確認することをおすすめします。

夏越の大祓のスピリチュアルな意味

夏越の祓は古くから伝わる日本の伝統行事です。でもそれだけではありません。現代の私たちにとっても大事な意味を持っているのです。ここではスピリチュアルな視点で夏越の祓えをみるとどうなるのか紹介します。

心のリフレッシュ

現代社会では日々の生活の中で知らず知らずのうちにストレスや疲れを溜め込みやすく、心の浄化が必要になることもあります。そこで夏越の大で自分自身を見つめ直し、リセットする機会ととらえて活用してみましょう。

茅の輪くぐりは自分自身を見つめ直して心身をリフレッシュするものと考えることもできます。茅の輪をくぐることで心身を浄化。そして自分自身の内面と向き合い、再生のための一歩を踏み出してみましょう。

また夏越の大祓は神聖な雰囲気の中で行われます。厳かな神事を通して心が落ち着いて穏やかに清々しい気分になります。そうした中からも新たな一歩を踏み出すための力が湧いてくるかもしれません。

厄除けや開運

スピリチュアルな解釈では夏越の大祓は厄を祓い除け運を開くとされています。茅の輪くぐりや人形祓いなどの神事を通して悪運を遠ざけましょう。悪いものを出さないと幸運を呼び込むこともできませんからね。

過去の反省と未来への希望

夏越の祓は単に穢れを祓うだけでなく、これまでの半年間を振り返り反省と感謝の気持ちを持つための機会です。

あなたが経験したこと、達成したこと、失敗したことなどに思いを馳せ、感謝すべき点と改善すべき点を見つけてみましょう。

夏越の祓はスピリチュアルな解釈ではあなた自信の過去を振り返り、これからを前向きに生きていくきっかけにもなるのです。

茅の輪くぐりと作法・注意点

茅の輪

つぎに夏越の祓の代表的な行事の茅の輪くぐりを紹介します。

茅の輪くぐりとは?何のためにするの?

茅の輪くぐりは半年間の間にたまった、罪やけがれをおとすための儀式です。次の半年間、病気や災難にあわないようにとの意味も込められています。

輪をくぐって出てくる。ということは。
新しく生まれ変わる。再生の意味があるのです。

茅の輪は茅(かや)や藁(わら)で作った大きな輪っかです。

6月の末や12月末になると日本各地の主な神社で行われています。

いつまで?

多くの神社では6月にに入ると茅の輪の準備をするところが多いです。始める時期は神社によって違います。早いところは6月に入るとすぐ。遅いところでは6月下旬になってから。

人形(ひとがた)は月末までに受付を終えることもありますが。

茅の輪は翌月の上旬。7月上旬や1月上旬まで残してるところもあります。

時期は神社によって違うので確認しましょう。

 

茅の輪くぐりの作法

茅の輪はただ通り抜けたり回ればいいというものではありません。儀式なのでちゃんとした作法があります。

神主さんが儀式としてするときは祓詞(はらいことば)を唱えるそうです。
その言葉はこうです。

「水無月の夏越祓するひとは、千歳の命延ぶというなり」
現代語訳:みなづきの なつごしはらえ するひとは ちとせのいのち のぶというなり

五・七・五・七・七の和歌になってます。「拾遺和歌集」という和歌集に載ってます。

神社によってはこの言葉を書いた看板を置いてるところもあります。
できれば唱えながらくぐったほうがいいですね。

難しい言葉に思えますが意味は簡単です。
6月に夏越祓した人は長生きできます」という意味です。

難しかったら無理に言わなくてもいいです。
”無病息災でいられますように”とか願いならくぐったほうがいいでしょうね。

地域や神社によっては「蘇民将来(そみんしょうらい)」と唱えながらくぐるところもあるようです。八坂・祇園系の神社に多いようです。

これも神社の作法に従ってください。

茅の輪のまわり方

茅の輪くぐり作法

一般的な作法では、
茅の輪は三回通り抜けます。

まず、地の輪の前で一礼。
輪をくぐって左側にまわって戻ってくる。
輪をくぐって右側にまわって戻ってくる。
輪をくぐって前進。

8の字を描くようにまわるんですね。
輪の真ん中ではなく、中心を外したところを回るのが作法です。

でも、人が多くて混雑してるときは一回だけにしといたほうがいいですね。

神社によって作法があると思うので、
神社の指示があったらしたがってください。

茅は持ち帰ってはいけない

極希に茅の輪の茅を引き抜いて持って帰る人がいます。

それはダメです。

茅の輪は神社が設置した道具です。盗難や器物損壊になるので絶対に止めましょう

茅の輪の茅を持って帰っても意味はないのですが。ご利益があると思ってる人もいるようです。

でも設置されている茅の輪にご利益はありません。茅の輪は穢れを祓う浄化装置。人の穢れもついています。持ち帰ってもいいことはありません。神社の境内に設置されているから人の穢れを祓う役目をしているのです。

あなたは他人が使った掃除機のゴミ取りフィルターを自分の掃除機に取り付けるでしょうか?

一部の神社では夏越の祓の期間が終わった後に茅の輪を解体して希望者に茅を配るところもあります。その場合は特別な作法をして無害なようにしているので大丈夫。なはず。

持ち帰り用のものは別に用意してある神社もあります。

いずれにしても個人の勝手な判断で持ち帰らないようにしてください。

夏越の祓で体験できること

夏越の大祓は、古くから伝わる日本の伝統行事ですが、近年では様々な体験ができるようになっています。ここでは、茅の輪くぐり以外に夏越の大祓で体験できることを紹介します。

大祓(おおはらえ)

夏越の祓の中心的な神事。神主さんが祝詞をよみあげお祓いをします。本来はこの神事を大祓といいます。6月30日にそれぞれの神社で行なっていますが、時間は神社によって違うのでHPなどで調べるとよいでしょう。

 人形(ひとがた)

人形

人形流し(ひとかたしろ)など呼び方はさまざま。紙を人間の形に切って作った人形(ひとがた)に息をふきかけたり、体の悪いところを撫でたりして自分の罪穢れや厄を移したあと神社に収めます。

人形はその後、神社でお祓いをしたり、焚き上げで燃やしたり、水に流したりします。神社によって作法が違うので神社の指示に従ってください。

神楽(かぐら)

神楽

神楽は神々に感謝を伝え祝福を祈るための神事です。夏越の大祓では神楽を奉納することで神様との繋がりを深めご加護を得られると考えられています。

どの神社でも行なっているわけではありませんが。機会があれば見学するといいでしょう。神様との縁が深まりご加護があるかもしれません。

おみくじ

おみくじは神様からのメッセージを受け取るための道具です。一年中いつでも引くことが出来ますが、夏越の祓でおみくじを引いてこれからの半年間の生き方を占ってみましょう。

授与品

茅の輪

 

授与品とは神社で授かるお守りや御札などのことです。夏越の大祓では厄除けや開運のご利益があるとされる期間限定の授与品が用意されていることがあります。

画像のものは京都市南区の吉祥院天満宮で授与されている家庭用の茅の輪です。

まとめ

夏越の大祓は古くから伝わる日本の伝統行事です。それと同時に様々な体験を通して心身を浄化し、厄除けや開運を願うことができる貴重な機会にもなってます。

半年間の疲れを癒し、心機一転したい方、これからの人生をより良い方向へ導きたい方におすすめです。

今年の夏越の祓に参加して様々な体験をしてみてはいかがでしょうか。

なお、体験できる内容は神社によって違います。

事前に神社のホームページなどで確認することをおすすめします。

 

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