鹿島神宮は東日本で最も歴史があるといわれる神社。
日本の神話でおなじみ建御雷神が御祭神です。
日本の神話が載ってる古事記や日本書紀は皇室や大和朝廷のいわれを書いた本。だから近畿や西日本が主な舞台になってます。
それなのに関東に本拠地を置く建御雷神が重要な神様として登場します。
遠くはなれた大和(近畿)の人々もあがめるほど凄い神様ということですよね。
そんなに凄い神様なら行ってみたいなとずっと思っていました。ちょうど所用で関東に行くことがあったのでそれなら鹿島神宮に行ってまいりました。
鹿島神宮があるのは茨城県鹿嶋市。東京からはJR鹿島線で行けるようです。このときは茨城県中部に宿をとっていたので鹿島臨海鉄道で行きました。
地平線が広がるだだっ広い平野部を、のどかなローカル線で旅するのも楽しいものです。
京都に住んでると地平線を見ることがありません。山に囲まれているからです。開放的な気持ちになります。
鹿島神宮駅を出て、赤茶色の歩道を歩いていきました。レンガ通りと言うそうです。
しばらくレンガ通りを歩くと大きな看板が!
塚原卜伝生誕の地だそうです。塚原卜伝は戦国時代の剣豪です。
こちらが塚原卜伝の像。
そういえばドラマ「塚原卜伝」で主演の堺雅人さんが「鹿島の剣」って言ってましたね。鹿島神宮の神官の一族だとは聞いてましたが、このあたりで産まれたのですね。
道中は緩やかな坂になってます。お土産物屋や飲食店が並ぶ石畳の道を歩いていくと鳥居が見えてきました。
大きく鹿島神宮の文字が掘られた石碑があります。
中に入りましょう。
鳥居をくぐると中は一転して、森の中。
鹿島神宮は全体が森に覆われています。中は別世界のようです。
いい雰囲気ですね。
鮮やかな門があります。
楼門
緑の森のなかにたたずむ朱色の楼門のコントラストがまぶしい!
反対から見ると、雷をモチーフにしたものが飾られています。
武御雷神は雷の神様でもあるんですね。
この楼門は寛永11年(1634年)、水戸藩の初代藩主・徳川頼房が奉納したそうです。
日本三大楼門のひとつ。重要文化財です。
楼門をくぐるとそこはちょっとした広場になっています。
右手に拝殿があります。
茅葺きの質素な建物が拝殿です。奥に本殿があります。
現在の建物は江戸時代初期の元和5年(1619年)に2代将軍徳川秀忠が建てたものです。
武神だけあって質実剛健な感じですね。
まずはお詣りしましょう。
御祭神は武甕槌大神(たけみかつちのおおかみ)。
古事記では武御雷神と書かれています。
武御雷神は天孫降臨神話に登場します。
武御雷神は香取神宮に祀られる経津主大神とともに、出雲国に行って国譲りを成功させました。武力だけでなく交渉術にも優れた神様です。
武神というと現代人には関係ないように思えるかもしれません。でもビジネスは勝負や交渉の世界。ビジネスマンや、どうしても達成したい目標があるとき。失敗できないなにかがあるとき。なんかはこちらの神様のお力を借りるのもいいかもしれませんね。参拝者の数も多かったです。
神社には珍しく北を向いています。大和朝廷に従わない蝦夷ににらみをきかせるためという説があります。
拝殿の正面には授与所があります。
こちらでお守りを授かりました。
こちらは「勝守」。
鹿と戯れる?武甕槌大神がデザインされています。
勝負運にあかりたいですね。
お守りの画像は家に帰って撮影したものです。
本殿の近くにあるのが仮殿(かりどの)。
本殿を造営するときに一時的に神様に移っていただくための社です。
境内は全体が森のなかにあります。鹿島神宮の森は茨城県指定の天然記念物。
自然のままの姿が残っています。
巨木に囲まれていると別世界に来たような感覚になります。
森の中を歩くと鹿園がありました。
鹿島の神の使いは鹿。お守りにも鹿がデザインされていました。
武甕槌大神のもとに、天照大御神の使者として天迦久神(あめのかぐのかみ)という神様が来たそうです。天迦久神は鹿の神霊だったので、鹿が鹿島神の使いとなったそうです。
奈良公園の鹿は、鹿島の鹿を連れて行ったもの。
だから鹿島が本家なんです。
奈良公園の鹿は野生化してますが、こちらは柵の中で飼われています。自由奔放な奈良の鹿に比べるとおとなしい。でも食べ物を与えてはいけません。見るだけにしましょう。
鹿園の近くにはさざれ石があります。
国家「君が代」に出てくるさざれ石ですね。あちらこちらの神社にあります。こちらには色の違う石で作った日の丸もあって芸が細かいです。
奥宮
さらに森の中を歩くと社が見えてきました。
奥宮です。御祭神は武甕槌大神の荒御魂。
現在の建物は1605年(慶長10年)徳川家康が関ヶ原の戦いの戦勝のお礼に奉納したもの。もともとは本殿として奉納されたものですが、1619年に新築したときにこちらに移したそうです。
ということはこの建物は本殿に使っていたということですよね。関ヶ原で勝ったお礼にしては小さいような・・・
それでは申し訳ないと思ったのか、息子の秀忠が立派な社殿を造りました。それが現在の本殿。でも家康の作ったものを捨てるわけに行かないし「奥宮に使おう」ということになったのでしょうか。いろいろ想像してしまいます。
要石
さらに森の中を歩きます。ここの森は雰囲気いいですね。
しばらく歩くと何やら鳥居が。
これがパワースポットとして有名な噂の「要石」です。
作の中に小さく見えているのが要石の一部。本体は地中深く埋まってます。
地震を起こすナマズの頭を押さえているそうです。
どこまで埋まってるのか確かめるため、水戸光圀が7日7晩掘ったものの、ついに分からなかったとか。そればかりか怪我人が続出したので中止したいうと言い伝えがあります。
香取神宮にも似たような石があって対になってるという伝説もあります。
地震を起こすナマズを押さえる武御雷神。
昔の人のイメージはこんな感じだったのでしょう。
口の悪い関西人には地震を押さえる神がいるのに地震が起きてるじゃないかという人もいますが。
神様がいるから鹿島の被害はこの程度でおさまってる。といえるんじゃないでしょうか。
言い伝えによると、神様が留守の間に地震が起こることもあるようです。
でも。災害が起こる地域だから、それを鎮める神様が信仰されるんですね。災害のないところにわざわざ神様を祀ったりはしませんよね。
地震の少ない場所に住んでる関西人にはあまり実感はありませんが、地震の多い関東では地震を鎮める神様は大切なんでしょうね。
御手洗池
森の道をもどって御手洗池にまいります。
境内はどこに行くにもこのような森の中を歩きます。本当に自然が豊かです。
歩いてるだけで癒やされますね。
広場のようなところに出ました。この付近に御手洗池があるはずです。
ありました。
ここが御手洗池(みたらしいけ)です。
このときは夏場だったのでちょっと水位が減ってましたが、水底まで見渡せるきれいな水が湛えられているそうです。
きれいな水が絶えず湧き出ています。
御手洗池の近くには大黒社もあります。
大国主命をお祀りしています。
神域の森はそれ自体がパワースポット
不思議な言い伝えの残る要石や、水が湧き出る御手洗池など見どころも多いです。
一番の魅力は、神域全体を包み込む森だと思います。歩いているだけで心が癒やされますし、なんだか力が湧いてくるような感じもします。
鹿島神宮の周辺は開発されて住宅地になってますが、このあたりだけは自然の森が残っています。原始の世界が残されたかのような神域は、別世界に迷い込んだかのようでした。
神社の情報
ご祭神 :武甕槌大神(たけみかつちのおおかみ)
住 所 :茨城県鹿嶋市宮中 2306-1
電 話 :0299-82-1209
公式サイト:鹿島神宮
アクセス
駐車場
第一駐車場 60台
鹿嶋市宮中2306-1
大鳥居の前。
普通車:300円
中型車:500円
大型車:700円
第二車場 55台
鹿嶋市宮下2-8
無料
徒歩5分。
御手洗駐車場
鹿嶋市宮下1-6-15先
無料
神社の裏手。本殿まで徒歩10分ほど。
電車
JR鹿島線 JR鹿島線駅より徒歩10分。
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