神泉苑 恵方の神様と平安時代の面影が残る龍神の住む池

神泉苑

 

龍神伝説の残る名所は京都にもあります。神泉苑もそのひとつ。弘法大師・空海と龍神にまつわる話も残る場所なんです。それなら行かないわけにはいきません。今回は神泉苑に行ってきました。

京都市営地下鉄・東西線の二条城前で下車します。地下鉄の出口は神泉苑に行くなら3番出口が一番近いです。信号を渡らなくてすむのでお勧めです。地上に出ると目の前は大きな通り(府道37号線)でした。

府道

通りを挟んで目の前は超メジャーな観光スポット・二条城。城を囲む白壁が視界いっぱいに広がってます。このまま二条城に行ってもいいんですが、今回のお目当ては神泉苑。二条城とは方角が逆になります。

ついつい道の広い大通りを歩いてしまいました。途中で真言宗・神泉苑と書いた看板があります。神泉苑の北門になります。ここから入ろうとしました。でも、雰囲気が料亭のようでした。よく見ると「祇園〇〇神泉苑」って書いてあります。神泉苑のとなり(というかほぼ敷地内?)にあるみたいです。勝手に入りづらい感じだったので別の入り口を探すことにしました。後で調べたところ、しゃぶしゃぶを考案した歴史のある料亭のようです。でも本題とは関係ないので割愛します。

実は神泉苑の正門は二条城南側の大きな通り(府道37号線)ではありません。さらに南の御池通にあるんです。37号線から南北に延びる通りを南に歩いて御池通に出ました。

御池通

御池通は府道37号線より狭いです。とはいってもバスも走ります。それなりに交通量の多い通りです。ちなみに「御池通」の名前のもとになったのが神泉苑だともいわれています(別の説もあります)。歴史のありそうなお店が残る御池通を歩くと神泉苑の入り口が見えてきました。

神泉苑

 

通りに面した石の鳥居が目をひきます。でも、神泉苑って弘法大師ゆかりの場所だし、真言宗のお寺があるはず。神社?お寺?ともかく中に入ってみましょう。

敷地に入るとこじんまりした庭園のような感じ。南北80m、東西60mくらいの広さです。神泉苑は平安時代に桓武天皇が作った庭園でした。平安京以前からあった池を利用して作った庭園だったようです。当時は南北500m、東西240mもあったといいます。

神泉苑

でも徳川家康が二条城を作ったときに敷地をかなりとられちゃったんですね。だから二条城天守台がある部分ももともとは神泉苑だったようです。室町時代から戦国時代にかけては京の都は荒れ果ててたみたいのので仕方ないのでしょう。その後も土地開発等で削られてるみたいです。僕の想像ですが、今の神泉苑は最盛期の20分の1くらいの広さじゃないでしょうか。空海がいたころはどんな光景が広がっていたんでしょうね。

神泉苑

 

善女龍王社

 

まずは正面にある社殿以にお参りします。こちらは善女龍王社。龍神様をお祀りしています。

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平安時代の天長元年(824年)。日照りが続いたので雨乞いを行うことになりました。そこで、東寺の空海と、西寺(興福寺という説も)の守敏という当時を代表する二人のお坊さんが対決することになりました。守敏は雨を降らせることができませんでした。次に空海が神泉苑で雨乞いを行いました。見事に雨を降らしたのは空海でした。天竺(インド)に住む善女龍王を呼び寄せたといわれています。それ以降、この池には龍王が住んでいるそうです。龍王の名前は”善女”と書きますが、女神とは限らないようです。善如龍王と書くこともあります。本来はこちらの字を使ったのかもしれませんね。

仏教では仏法を守る八体の龍王がいます。八大龍王といいます。善如龍王はそのうちの一尊です。

そうした縁もあり、神泉苑は真言宗のお寺になっています。鳥居があるけど”お寺”なんです。

善女龍王社

その後、都に疫病が流行った時。神泉苑で御霊会(悪霊を鎮めるための儀式)が行われました。全国の国の数と同じ66本の鉾を立てたといいます。それが後に祇園祭となったといわれます。

 

吉方位を向く社殿の恵方社

恵方社

 

善女龍王社の南には恵方社があります。石の台に乗った小さなお社です。全国でも珍しい毎年向きが変わる社なんです。その年の吉方位を向いています。祀ってあるのは歳徳神(としとくじん)。陰陽道では福徳の神様とされます。

吉方位

 

2017年の吉方位は北北西です。恵方巻を食べるときに向く方角ですね。

 

本堂

池の対岸には本堂があります。こちらにお祀りしてるのは、聖観音、不動明王、弘法大師です。

本堂

龍王社が目立ちますが、こちらが本堂になります。

神泉苑

 

願いがかなう法成橋

神泉苑の池には朱塗りの橋がかかっています。法成橋(ほうじょうばし)といいます。

法成橋

 

心に願いを念じながら、本堂から善女龍王社に向かって渡り、竜王様にお願いすると願いがかなうといわれています。でもお願いは一つだけです。

法成橋

橋を渡るだけではだめです。龍王社でお願いしないといけないようです。

 

現在の神泉苑は真言宗のお寺ということになってます。でも仏教、神道、陰陽道いろんなものが混ざり合った不思議な空間になってます。

京都でもトップクラスの観光スポット二条城のすぐ近くにあるし、電車の駅からも近いので市内観光しながらでも気軽に立ち寄れる場所ですね。

 

 

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神泉苑のアクセス

神泉苑に行くのは電車が便利です。

電車
京阪電鉄 京都線・神宮丸太町より徒歩で約2分。

Official Website :神泉苑公式サイト

住所 京都府京都市中京区御池通神泉苑東入門前町166

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