日本では古くから暦には様々な吉凶を示す要素があり、日々の行動の指針とされてきました。「一粒万倍日」は、始めたことが大きく成長するとされる縁起の良い日として知られています。
でも暦には仏滅などの凶日もあり、一粒万倍日と重なることもあります。
この記事では一粒万倍日の意味や由来、やってはいけないこと、そして仏滅と重なった場合の解釈について詳しく解説します。また天赦日や大安といった他の吉日と重なった場合にどうなるのかも説明します。
この記事で分かること:
- 一粒万倍日の意味と由来
- 一粒万倍日にすると良いこと、避けるべきこと
- 一粒万倍日と仏滅が重なった場合の解釈
- 一粒万倍日と他の吉日(天赦日、大安など)が重なった場合の効果
「一粒万倍」の意味
「一粒万倍」とは、「たった一粒の籾(もみ、稲の種のこと)が、万倍もの実りをもたらす」という意味です。これは、わずかなものが大きく成長することを表すたとえで、「小さいものでも粗末にしてはいけない」という教えも含んでいます。仏教の経典に由来し、もともとは善行が大きな報いをもたらすことを意味していました。
「一粒万倍」が吉日になった背景
日本では古来、稲作が生活の中心でした。一粒の籾から多くのお米が収穫できることは、人々の切実な願いであり、喜びでした。そのため、「一粒万倍」は豊穣の象徴として特別な意味を持つようになり、吉日として暦に取り入れられるようになりました。
また、かつて日本ではお米が年貢や給料として使われ、お金の代わりをする役割も担っていました。そのため、「一粒万倍」は「わずかなお金が大きく増える」という意味合いも持つようになりました。
一粒万倍日はどんな日?
一粒万倍日は、「何かを始めるのに良い日」とされています。特に、
- 仕事始め、開業: 小さな事業が大きく発展することを願って。
- 種まき: 一粒の種が豊穣な収穫をもたらすように。
- 投資: 少ない元手が大きな利益を生むように。
- 宝くじの購入: 小さな投資で大きな幸運をつかむことを願って。
などに向いているとされています。
一粒万倍日にやってはいけないこと
一粒万倍日は何かを始めるのに縁起が良い日として知られていますが、同時に注意すべき点もあります。
良いことだけでなく、悪いことも万倍になってしまうとされているからです。
一粒万倍日に特に避けるべきことは、以下の通りです。
- 借金や借り入れ: 人からお金を借りたり、ローンを組んだりすることは、後々返済の負担が大きくなると考えられています。小さな借り入れが、後になって大きな負担となる可能性があるため、この日は避けるべきです。物を借りることも同様に、後で返す際に苦労する可能性があるため、避けた方が良いでしょう。
- 浪費: 無駄遣いや衝動買いも避けるべきです。小さな浪費が積み重なって大きな出費につながる可能性があるため、この日は財布の紐を締めて過ごすのが賢明です。
- 批判、攻撃、差別的な言動: 他人を批判したり、攻撃的な言葉を使ったり、差別的な言動をすることは、自分に大きな形で返ってくると考えられています。人間関係のトラブルや、自身の評判を落とすことにつながる可能性があるため、この日は特に言動に注意が必要です。
- その他、ネガティブな行動: 喧嘩をしたり、嘘をついたり、悪口を言ったりすることも避けるべきです。これらのネガティブな行動は、後々大きな問題に発展する可能性があります。
仏滅と一粒万倍日が重なったらどうなる?
様々な吉凶判断の仕方
暦には六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安など)、九星、暦注下段(一粒万倍日など)といった様々な要素があり、それぞれ吉凶を判断する基準が違います。
そのため、ある要素では吉日でも別の要素では凶日となることがあります。
これは人の評価が様々な側面(運動能力、計算能力、芸術性など)によって変わるのと同じです。
一粒万倍日と仏滅が重なるケース
一粒万倍日は年に何度も訪れるため、仏滅などの凶日と重なることがあります。
「どちらが優先されるのか?」と疑問に思うかもしれませんが、どちらもそれぞれの基準で正しく、優先順位をつけるというよりは、両方の要素を考慮して判断するのが一般的です。
吉凶が重なった時の考え方
吉凶が重なった場合の基本的な考え方は以下の通りです。
- 両方とも吉の場合: 「最高」に縁起が良い日。
- どちらか一方が凶の場合: 効果は「半分」程度になると考えます。
- 両方とも凶の場合: 「最低」に縁起が悪い日。
つまり、一粒万倍日と仏滅が重なった場合は、「太陽のパワーは強いが、月のパワーが弱い」というように、良い面と悪い面が混在している状態と解釈できます。完全に良い日とは言えませんが、何もない日よりは良い日と言えるでしょう。
一粒万倍日と仏滅が重なった時の具体的な解釈
一粒万倍日は「始めたことが大きく成長する」という意味合いを持ち、仏滅は「物事が終わる、滅する」という意味合いを持ちます。
この二つが重なった場合は以下のように解釈できます。
- 良い面: 小さな始まりが大きく成長する可能性は秘めている。
- 注意すべき点: 物事が終わりやすい、不安定な要素も含まれているため、慎重に行動する必要がある。
例えば新しい事業を始める場合、一粒万倍日の効果で成長の可能性はあるものの、仏滅の影響で計画が頓挫するリスクも考慮する必要があります。そのため準備をしっかりと行いリスク管理を徹底することが重要になります。
まとめ
最も良いのは、吉日同士が重なる日を選ぶことですが、仏滅と重なったからといって一粒万倍日の効果が完全に無くなるわけではありません。
効果が弱まる可能性はあるものの、何もない日よりは良い日です。気にする必要はありませんが、慎重に行動することを心がけましょう。
重要なのは吉凶にとらわれすぎず、あなたの行動や努力を大切にすることです。
一粒万倍日と仏滅については、こちらでもっと詳しく書いてます。
天赦日や大安と一粒万倍日が重なったら?
では逆に、一粒万倍と天赦日などの縁起のいい日が重なったらどうなるのでしょうか?
この場合はいいことが倍になる。といわれます。
ということは。吉日を厳選したいのなら、一粒万倍日が大安や天赦日と重なっている日を選んだらいい。ってことになりますね。
2025年の一粒万倍日
最後に令和7年(2025年)の一粒万倍日を紹介します。
1月 7、10、19、31日
2月 6、13、18、25日
3月 2、5、10、17、22、29日
4月 3、4、13、16、25、28日
5月 10、11、22、23日
6月 3、4、5、6、17、18、29日
7月 12、15、24、27日
8月 5、11、23日
9月 4、7、12、19、24日
10月 1、6、16、19、28、31日
11月 12、13、24、25日
12月 6、8、9、20、21日
まとめ
一粒万倍日は「一粒の籾が万倍に実る」吉日で物事を始めるのに良いとされます。
仕事始め、開業、種まき、投資、宝くじ購入に向いています。でも借金、借り入れ、浪費、批判などのネガティブな行動は避けるべきとされます。良いことも悪いことも万倍になると考えられるからです。
仏滅と重なった場合は、一般的には効果は半減すると考えます。でも完全に悪い日ではなく、何もない日よりは良い日です。
最も良いのは大安や天赦日など他の吉日と重なる日を選ぶこと。吉日同士が重なると良い効果が倍増すると言われています。
でも吉凶にとらわれすぎず、あなた自身の行動を大切にすることが一番です。
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