あの世への入り口があるという、弥谷寺(いやだにじ)。
弥谷寺は四国八十八ヶ所霊場の71番札所。弥谷寺のある弥谷寺は香川県の西部・三豊市にあります。
古代より日本人は山に神や仏が住むと信じていました。弥谷山も仏が住む山・弥山(須弥山)と考えられ、山には極楽浄土への入り口があると考えられていました。
弥谷山には四国では珍しく、岩に掘られた石仏があります。
あの世への入り口があるという弥谷寺に行ってきました。
弥谷寺への道のり
かつては霊場でも有数の難所と言われた弥谷寺。現在は道路が開通してるので途中までは車でいけます。それでも電車やバスでは行けません。ふもとには駐車場があるので車で行けます。
まずは弥谷山の近くにある道の駅・ふれあいパークみのを目指すことにしました。カーナビの香川県内の道の駅で検索すると出て来ます。まずは道の駅・ふれあいパークみのを目指しました。
道の駅に到着。
ここに車を停めました。
道の駅とはいいますが、地域の作物を売ってる種類の道の駅とは違います(地域の物も売ってはいますか)。温泉もあるしレジャー施設のようになってるんですね。
この日はお盆休みのピークを外したはずなのに大勢の人が来ていました。
弥谷寺にも駐車場はあります。でも道の駅の方が広いし休憩もできるので今回はこちらを利用しました。
道の駅の正面には弥谷山がそびえます。
今からこの山を登ります。
気合を入れて出発!
途中にある道路標識。
72番札所曼荼羅寺も近くにあります。その先には73番札所出釈迦寺もあります。ここから曼荼羅寺までは5kmほど。でも八十八ヶ所の中では札所の密集地帯といえますね。
もちろん弥谷寺を目指します。
案内図がありました。
今いるのは、赤い矢印で記した場所。
まだまだ先は長い。
本堂まで581mの石碑を発見。
581mと聞くと近くにありそうです、
でも、山道ですからね。
大変そうです。
さらに、あの世の入り口といわれる水場はもっと先です。まずは本堂を目指して登ります。
山道ですが舗装されてます。軟弱な現代人にはありがたい。
本堂近くまで参拝者のためのバスが出てるようです。
でも、せっかくここまで来たのですから自分の足で歩いて登ります。
途中に休憩施設があります。一画が暗くなってるので営業してるのかなと思いました。「俳句茶屋」というそうです。でもこのときは準備中でした。歩き遍路の方が泊まる場所のようです。
しばらく歩くと。
細い山道に突然立派な山門が現れました。
ここが噂に聞く「降りるときに振り向いてはいけない山門かぁ」と思うと。
感慨深いものがあります。
というのも、この地方にはこんな伝説があるからです。
弥谷山の伝説
弥谷山の水場の横にある洞窟があの世への入り口だと信じられていました。
身内に死者がでると、家族は魂を水場まで運ばなくてはなりません。人を背負う格好をして弥谷山を登り、水場まで行くのです。家族は水場で魂をおろして帰ります。
その帰り。
山門を出るとき、後ろを振り返ってはいけないのです。
振り返ると死者の魂が付いてきてしまうそうです。
せっかく成仏してもらおうと魂を運んできたのに、魂が付いてきたらいつまでも成仏できませんよね。
今回。家族に死者が出たから来たわけではないので、振り替えっても背負うものはないはずです。でも、気になりますよね。帰りには振り返らないようにしようと思いました。
山道をひたすら登ると巨石の出現
山道をひたすら登ります。
すると、大きな岩がありました。
大きな岩を人が割って道を作ったように見えます。
この山には岩がいたるところにあって不思議な風景を作っています。
道中には人が石を積み上げたようなあともありました。
山道を作ったときに石垣を積み上げたのでしょうか。石垣はあちらこちらにあります。
高さ6mの金剛拳菩薩(こんごうけんぼさつ)
しばらく歩くと、仏像のようなものが見えてきました。
かなり大きいですね。
高さ6m。江戸時代の元禄年間(5代将軍のころ)に25年の歳月をかけて作られたそうです。江戸時代の前期にこんなに大きな金属の仏像を山の中につくるなんてすごいですね。
この仏様は金剛拳菩薩というそうです。
観世音菩薩とはちがいます。十六大菩薩のひとつで、煩悩の苦しみから開放してくれます。日本では珍しい仏様です。真言は「オン バザラサンチバン」
煩悩がなくなる108階段
さらに先を進むと長い階段があります。
これを登れというのでしょうか。
この階段は108段あるそうです。
108は煩悩の数です。
四苦八苦:4✕9+8✕9=108 から来ているという説もあります。
一年の四苦八苦を落とす意味もあるようです。
では上ります。
ひたすら登ることに集中。
階段が108段も連続してると登っている間に何も考えられなくなりました。
頭が真っ白になって、ひたすら登る。
もう少しです。
途中で休んだらよけいに疲れて登れなくなります。
何も考えずひたすら登ることに集中したほうがいい。と思いました。
短い間でしたが、無心になれました。
ときには何も考えないのも大切ですね。
弘法大師が幼いころ勉強した大師堂
階段をのぼるとその先には大師堂があります。
ここには創建の前より洞窟がありました。お寺が出来ると岩屋は経典の保管場所として使われました。
弘法大師空海は9から12歳のあいだ、岩屋で勉強していたといいます。そのため、勉学にご利益があるとして参拝する人が多いようです。
また、岩屋のかたちが獅子が大きな口をあけた姿に似ていることから獅子之岩屋といいます。仏教では獅子の咆哮は説法と同じだと考えられいます。獅子の岩屋にお参りすると、獅子が災厄を食べ尽くして身を守ってくれると信じられています。
入り口には大黒様が祀られています。
靴を脱いで中に入ります。
現在はお堂が建っています。奥に入ると岩をくり抜いたような洞窟があります。中には貴重な仏像が安置されていたり、参拝する場所があります。
普通のお寺の中とは違う神秘的な雰囲気の漂う場所でした。
撮影禁止なので画像はありません。でも是非訪れてみたいところですよ。
今回は大師堂まで来ました。
まだ先は続きます。
アクセス
高速道路
高松道を豊中ICか善通寺ICで降りて国道11号線に乗ります。
国道11号線を鳥坂峠の三叉路を北西にまがります。
弥谷寺の看板が出てるので道路標示どおりに進むと行けますよ。
直接、弥谷寺を目指すよりも、ふれあいパークみのを目指したほうが迷わなくてすみます。
住 所 :香川県三豊市三野町大見乙74
コメント